webデザイナーの始め方|挫折しないための完全ガイド
- 最終更新日:2026/10/27
Webデザイナーに興味はあるものの、何から手をつければよいのかわからず立ち止まっている人もいるのではないでしょうか。デザインのセンスが必要、プログラミングも覚えなければならない、といった情報を目にすると、自分には難しいと感じてしまうかもしれません。Webデザイナーの始め方で大切なのは、仕事の内容を理解し、基本を学び、実際に作りながら力をつけるという順番を守ることです。この記事では、Webデザイナーの始め方の全体像、仕事の内容、必要なスキル、学び方、ツールの選び方、模写と自主制作の進め方、ポートフォリオの作り方、仕事の探し方、よくある失敗、立場ごとの進め方を解説します。
Webデザイナーの始め方の全体像
Webデザイナーの始め方は、次の段階に分けられます。一度にすべてを身につけようとせず、順番に進めることが挫折しないための近道です。
| 段階 | やること |
|---|---|
| 仕事を理解する | Webデザイナーが何を作り、どのような流れで仕事を進めるのかを知る |
| 基本を学ぶ | レイアウト、配色、文字の扱いなど、デザインの基本的な考え方を学ぶ |
| ツールを使い始める | デザインツールを用意し、簡単な画面を作れるようにする |
| 模写と自主制作をする | 既存のデザインをまねて作る練習をし、そのあと自分で考えた作品を作る |
| ポートフォリオを作る | 作品と制作の意図を整理し、自分のスキルを示せるようにする |
| 仕事を探す | クラウドソーシングの案件や求人に応募し、実務の経験を積む |
センスは生まれつきの才能だけで決まるものではありません。よいデザインを観察し、なぜよいのかを考え、自分で作ってみることを繰り返すうちに身についていきます。
Webデザイナーの仕事を理解する
始め方の最初の段階は、Webデザイナーが何を作る人なのかを正しく知ることです。ここを誤解したまま学び始めると、学習の方向がずれてしまいます。よくある誤解として、Webデザイナーは絵が上手な人がなる仕事だというイメージがあります。実際には、絵の上手さよりも、目的に合わせて情報を整理し、筋道を立てて形にする力のほうが大切です。
見た目と使いやすさの両方を考える
Webデザイナーは、Webサイトやランディングページ、バナー広告などの見た目を作る仕事です。ただ見た目を整えるだけでなく、どこに何があるかがすぐにわかる、ボタンが押しやすいといった使いやすさも考えて設計します。デザインのひとつひとつの判断には、利用する人にとってわかりやすくするための理由があります。仕事の全体像はWebデザイナーとはで詳しく解説しています。
サイトの目的を達成するために作る
Webサイトには、商品を知ってもらいたい、問い合わせを増やしたいといった目的があります。その目的と、サイトを見てほしい人に合わせて、色、レイアウト、文字の大きさなどを組み立てるのがWebデザイナーの役割です。自分の好みで作るのではなく、なぜこのデザインにしたのかを説明できることが求められます。
たとえば、サイトを見てほしい人や伝えたい印象をもとに色を決めるといったように、色ひとつにも理由を持たせて選びます。
制作の流れを知る
Webサイトの制作は、一般的に次のような流れで進みます。それぞれの工程を知っておくと、どのスキルを重点的に学ぶべきかが見えてきます。
| 工程 | 内容 |
|---|---|
| ヒアリング | クライアントからサイトの目的や見てほしい人、困っていることを聞き取る |
| 設計 | ワイヤーフレームと呼ばれる設計図で、どこに何を配置するかを決める |
| デザイン | デザインツールで色や文字、画像の配置を決め、見た目を作る。途中でクライアントに確認してもらいながら進める |
| コーディング | HTMLやCSSを使い、デザインをブラウザで表示できる形にする。デザイナーが担当する場合と、エンジニアが担当する場合がある |
中でもヒアリングは大切な工程です。「サイトをおしゃれにしたい」という言葉の裏に、問い合わせを増やしたいといった本当の目的が隠れていることもあります。ここがずれると、見た目がきれいでも目的を果たせないデザインになってしまいます。また、設計の段階でいきなり色をつけずに骨組みから作るのは、家を建てるときに先に間取り図を作るのと同じ考え方です。
デザインだけを担当する場合でも、Webページがどのように作られるかを基本的なレベルで知っておくと、Webページとして作るのが難しいデザインを避けやすくなり、エンジニアとのやり取りもスムーズになります。
必要なスキルを知る
Webデザイナーに必要なスキルは、デザインの考え方と、それを形にする技術に分けられます。主なスキルと最初に目指すことを整理すると、次のようになります。
| スキル | 内容 | 最初に目指すこと |
|---|---|---|
| デザインの基本原則 | 関連する情報を近くに置く、要素の端をそろえる、同じルールを繰り返す、重要なものを目立たせる、といった考え方 | 原則を意識して、整ったレイアウトを作れるようになる |
| 配色と文字の扱い | 色の組み合わせ方や、読みやすい文字の大きさと行間の考え方 | なぜその色や文字を選んだのかを説明できるようになる |
| 使いやすさの考え方 | 利用する人が迷わずに目的を達成できる画面の設計 | ボタンの位置や情報の順番を、利用する人の立場で考えられるようになる |
| HTMLとCSSの基礎 | Webページの構造と見た目を作るための言語 | 自分のデザインがWebページとしてどう作られるかをイメージできるようになる |
厚生労働省の職業情報提供サイトjob tag(Webデザイナー)でも、学歴や資格は必要とされない一方で、デザインの基礎知識は必要と説明されています。未経験から始める場合も、まずは基本の考え方を身につけることが土台になります。
全部を一度に完璧にしようとする必要はありません。優先する順番を決めて、少しずつ身につけていくのが現実的な進め方です。
使いやすさの考え方は、UIとUXという言葉で説明されることがあります。UIは画面の使い勝手のことで、たとえばボタンを押したときに反応がわかりやすいことを指します。UXはサイト全体を通じた体験のことで、サイトを訪れてから目的を果たすまで迷わずに進めることを指します。また、HTMLはページの構造を、CSSは見た目の装飾を受け持つという関係を最初に理解しておくと、学習が進めやすくなります。基本を無料で学べる教材として、MDNのウェブ開発を学ぶのような公式の学習ページもあります。
配色や文字についても、感覚だけで選ぶのではなく、信頼感を伝えたいときは落ち着いた色を選ぶ、上品な印象にしたいときは書体を工夫するといったように、根拠を持って選べるようになることが目標です。
デザインの基本の詳しい内容はWebデザイナーの基本で解説しています。
デザインの基本を学ぶ
デザインの基本は、本で考え方を学ぶことと、よいデザインを観察することを組み合わせると身につきやすくなります。
入門書で体系的に学ぶ
最初は、デザインの基本原則を解説した入門書を一冊読むのがおすすめです。インターネットの情報は断片的になりがちですが、本は基本から順番に解説されているため、全体像をつかみやすくなります。ツールの操作から入ると、作れるけれどなぜよいのかを説明できない状態になりやすいため、考え方も並行して学びましょう。
よいデザインを観察する習慣をつける
Webサイトを見るときは、きれいだと感じるだけで終わらせず、なぜこの色を使っているのか、余白はどのくらい取られているのか、特に押してほしいボタンはどこにあるのかを考えてみましょう。気づいたことを言葉にして書き留める習慣をつけると、デザインを見る力が少しずつ育っていきます。よいデザインを集めて紹介しているギャラリーサイトを眺めるときも、同じ視点で見てみましょう。学習の進め方はWebデザイナーの勉強法で詳しく紹介しています。
ツールを使い始める
基本を学びながら、並行してデザインツールを使い始めましょう。考え方を完全に理解してから触ろうとすると、なかなか前に進めません。主なツールの用途は次のとおりです。
| ツール | 主な用途 | 始め方 |
|---|---|---|
| Figma | Webサイトの画面やレイアウトの設計 | 無料のプランから始められるため、最初のツールとして取り組みやすい |
| Photoshop | 写真の補正や加工、バナーの制作 | 有料のサービスのため、必要になった段階で利用を検討する |
| Illustrator | ロゴやアイコンなどの制作 | 有料のサービスのため、作りたいものに合わせて検討する |
料金やプランの内容は変わることがあるため、利用する前に公式の情報を確認しましょう。最初の目標は、簡単なWebページの最初の画面を一枚作れるようになることです。
模写と自主制作で力をつける
まねて作る模写で基本を体で覚え、そのあと自分で考える自主制作に進むと、学んだことが実際の力に変わりやすくなります。
模写の進め方
ツールに慣れてきたら、既存のデザインをまねて作る模写に取り組みましょう。見ているだけでは気づかない、余白の取り方や文字の大きさの選び方などを、手を動かしながら学べます。
| 手順 | やること |
|---|---|
| 対象を選ぶ | 要素の少ないバナーや、シンプルな構成のページなど、再現しやすいものから選ぶ |
| 細部まで再現する | 文字の大きさや要素同士の間隔を確かめながら、できるだけ同じになるように作る |
| 違いを確かめる | 完成したものとお手本を見比べ、ずれている箇所と、その理由を書き出す |
だいたい同じところで妥協すると、練習の効果が薄れてしまいます。お手本とずれている箇所について、なぜずれたのかを言葉にしておくと、次の模写で何を直せばよいかがはっきりします。
模写は練習のためのものです。他の人のデザインをまねた作品を、自分のオリジナル作品として公開したり、ポートフォリオに載せたりすると、著作権の問題につながるおそれがあります。
自主制作に移る
模写に慣れたら、架空のクライアントを想定して、自分でデザインを考える自主制作に取り組みましょう。地域のお店のサイト、教室の案内ページなど、具体的なテーマと、サイトの目的、見てほしい人を決めてから作ると、仕事に近い練習になります。模写で学んだことを自分の作品に生かすことで、知識が実際の力に変わっていきます。
ポートフォリオを作る
自主制作の作品ができたら、自分のスキルを示すポートフォリオとして整えます。実務の経験がなくても、自分で考えて作った作品があればポートフォリオは作れます。載せておきたい内容は次のとおりです。
| 載せる内容 | ポイント |
|---|---|
| 自己紹介と対応できる範囲 | 使えるツールと、デザインだけか、コーディングまで対応できるかを具体的に書く |
| 作品 | 数を増やすより、自分の力が特によく伝わる作品を選んで載せる |
| 制作の意図 | 作品ごとに、目的、見てほしい人、なぜその配色や配置にしたのかを説明する |
自己紹介では、何でもできますと書くより、対応できる範囲を具体的に書くほうが、相手にとって判断しやすくなります。たとえば、「〇〇を使った画面のデザインと、HTMLとCSSの基礎的なコーディングに対応できます」のように書くと伝わりやすくなります。まだプロではないからと気後れせず、今の自分が特に自信のある作品を形にすることが大切です。
クライアントや採用担当者は、見た目だけでなく、考えて作れる人かどうかを見ています。作り方はWebデザイナーのポートフォリオで詳しく紹介しています。
仕事を探し始める
ポートフォリオができたら、実際の仕事に応募する段階です。フリーランスとして案件を受ける方法と、会社に就職する方法があります。
クラウドソーシングで実績を作る
ポートフォリオができたら、クラウドソーシングで案件に応募してみましょう。バナーの制作など、比較的取り組みやすい案件から始めると、クライアントとのやり取りや修正への対応など、実務の流れを経験できます。最初は報酬の金額よりも、仕事として報酬を受け取る経験を積むことを優先するとよいでしょう。実際に仕事をした経験は、責任感を育てるとともに、ポートフォリオに実績として書ける材料にもなります。まだ力が足りないと感じて応募を先延ばしにする人もいますが、実務を通じて学べることも多いため、完璧を待たずに動き始めることが大切です。使っていない商品の口コミ風の画像や、実在しない利用者の声を作る依頼は、読者を欺くことにつながり、広告であることを隠した宣伝は景品表示法の規制の対象にもなっているため、受けないようにしましょう。サービスの使い方はWebデザイナーのクラウドワークスで紹介しています。
未経験から応募できる求人を探す
制作会社や企業の中で働きたい場合は、未経験から応募できる求人を探します。実務の経験がなくても、ポートフォリオの内容と、なぜWebデザイナーを目指すのかを説明できれば、評価される可能性があります。求人ごとに求められるスキルは異なるため、募集内容をよく確認しましょう。応募の進め方はWebデザイナーの案件獲得で解説しています。広告やWeb業界の求人を扱う転職エージェントも比べたい場合は、マスメディアンの評判を紹介した記事も参考になります。取り扱う職種や求人の範囲は、公式の情報と面談で確認してください。
独学とスクールの選び方
Webデザイナーの基本は独学でも学べますが、一人で続ける自信がない、作品に添削を受けながら進めたいという場合は、スクールを利用する方法もあります。比べ方はWebデザイナーのスクールで解説しています。個別のスクールについては、WEBCOACH(ウェブコーチ)の評判、Winスクールの評判、デジタルハリウッドSTUDIO by LIGの評判、rimomo(リモモ)の評判で紹介しています。受講を考えるときは、学べる内容、質問や添削の受け方、受講料と支払い方法、受講期間を公式の情報で確かめ、自分の目的と使える時間に合うかを比べましょう。
よくある失敗と改善策
Webデザイナーを目指して学び始めた人がつまずきやすい例と、その改善策を整理すると、次のようになります。
| よくある失敗 | 改善策 |
|---|---|
| ツールの操作ばかりを覚え、デザインの考え方を学ばない | 操作の練習と並行して、基本原則を学び、作ったものに当てはめて見直す |
| 最初から完成度の高いものを目指し、作品が完成しない | 完成度にこだわりすぎず、まずは一つを最後まで作り上げることを優先する |
| コーディングの学習に時間をかけすぎる | 目指す働き方に合わせて、どこまで学ぶかを決める |
| 学ぶばかりで作品を作らない | 学び始めの段階で、最初の模写に取り組む時期を決めておく |
| 一人で作り続け、改善点に気づけない | 作品を人に見てもらう機会を作り、感想や指摘を次の作品に生かす。SNSやデザインを学ぶ人の集まりに作品を投稿し、ほかの人の目を借りるのも一つの方法 |
立場ごとの進め方
使える時間や目指す働き方によって、進め方は変わります。立場ごとの考え方の例は次のとおりです。
| 立場 | 進め方 |
|---|---|
| 会社員 | 平日は短い時間でツールの練習、休日に作品づくりと分けて進める。副業として始める場合は、勤務先の就業規則を確認する。始め方の注意点はWebデザイナーの副業で解説している。辞めてから始めるのではなく、今の収入を保ちながら在職中に小さな案件で実績を積むと、その後の選択肢が広がりやすい |
| 家事や育児と両立する人 | 短い時間でできる観察や練習と、続けて時間を取りたい作品づくりを分けて進め、納期に余裕のある案件から始める。細切れの時間でも積み重ねれば前に進めるため、続けられるペースを優先する。一人で続けにくい場合は、学習の環境を整えるためにスクールを利用する方法もある |
| 学生 | 時間を取りやすい時期に、自主制作で一つのWebサイトを作り上げ、就職活動で見せられるポートフォリオを整える。インターンシップに参加して、実際の制作の現場を知るのもよい |
始め方の確認チェックリスト
ここまでの手順を、確認しやすいように一覧にしました。まだできていない項目があれば、今日からその一つに取りかかりましょう。
| 確認する項目 | 段階 |
|---|---|
| Webデザイナーの仕事の内容と制作の流れを理解した | 仕事を理解する |
| パソコンとデザインツールを使える状態にした | ツールを使い始める |
| デザインの基本原則を学んだ | 基本を学ぶ |
| 気になるWebサイトを見て、なぜそのデザインなのかを言葉にした | 基本を学ぶ |
| 既存のバナーやサイトをいくつか模写した | 模写と自主制作をする |
| 架空のサイトの自主制作を一つ完成させた | 模写と自主制作をする |
| ポートフォリオに作品と制作の意図を載せた | ポートフォリオを作る |
| 案件や求人に応募してみた | 仕事を探す |
挫折しないための心構え
Webデザイナーを目指して学び始めたものの、途中でやめてしまう人もいます。その理由は、スキルの問題よりも、取り組み方や考え方にあることもあります。
完璧を目指すより完成させることを優先する
最初からプロと同じ水準のデザインを作るのは難しいものです。仕上がらないまま手直しを続けるより、不格好でも最後まで作り上げた作品のほうが、学べることは多くなります。まずは小さなバナーを一つ、最後まで作りきる経験を積みましょう。
ツールを覚えることをゴールにしない
ツールが使えるようになることは、目的ではなく手段です。ツールを使って誰かの役に立つものを作ることを目標にしましょう。作りたいものがあるから使い方を調べる、という順番で取り組むと、必要なことから身につけられるため、学習が進みやすくなります。焦らず、長い目で見てこつこつ続けることが大切です。
今日から始める最初の一歩
まずは、気になるWebサイトをいくつか選び、なぜよいと感じたのかを書き出してみてください。そのうえで、デザインの基本を解説した本を一冊読み始め、デザインツールに登録して簡単な画面を一枚作ってみましょう。
Webデザイナーの始め方に近道はありませんが、学ぶ、観察する、作る、見直すことを繰り返せば、未経験からでも少しずつ力がついていきます。思いどおりに作れないもどかしさも、上達の途中で感じやすいものです。小さな作品を一つ完成させることから始めましょう。
