Webデザイナーの副業ガイド|仕事内容・必要スキル・在宅での働き方まで網羅
- 最終更新日:2026/10/28
本業の収入に加えて、スキルを身につけながら収入を増やしたいと考え、Webデザイナーの副業に関心を持っている人もいるのではないでしょうか。パソコンとインターネットの環境があれば在宅で取り組めるため、会社員や家事と両立したい人、学生など、さまざまな立場の人が選択肢として考えやすい仕事です。ただし、未経験からいきなり規模のある案件を受けられるわけではなく、基礎を学び、作品を用意してから始める必要があります。この記事では、Webデザイナーの副業が未経験からできるか、主な仕事内容、収入の考え方、必要なスキル、案件の探し方、始める手順、よくある失敗、勤務先や税金について確認したいことを解説します。
Webデザイナーの副業は未経験からできるか
Webデザイナーの副業は、仕事としての経験がない状態からでも始められます。ただし、ここでいう未経験は、学習をしていない状態という意味ではありません。クライアントは、自社の目的を達成するために報酬を支払います。そのため、デザインの基本やツールの操作を学び、自分一人で作品を完成させられる状態になってから応募することが前提です。
未経験でもすぐに稼げる、という言葉を目にすることがありますが、正しくは、学習と作品づくりを経れば、実務の経験がなくても受けられる案件がある、ということです。未経験歓迎と書かれた募集でも、作品を見せられることが求められる場合が多くあります。学び方はWebデザイナーの勉強法で詳しく紹介しています。
副業で受けられる主な仕事
副業のWebデザイナーが受ける仕事は、規模や必要なスキルによって異なります。主な仕事と特徴を整理すると、次のようになります。
| 仕事 | 内容 | 特徴 |
|---|---|---|
| バナーやSNS用の画像 | 広告用の画像や、SNSに投稿する画像を作る | 一枚単位で作るため範囲がわかりやすく、始めたばかりの人も取り組みやすい |
| ランディングページのデザイン | 商品やサービスを紹介する縦長のページを作る | 構成を考える力や、読む人を行動に導く工夫が求められる |
| Webサイトの制作 | 企業やお店のサイトをデザインし、コーディングまで担当することもある | 必要なスキルが多く、制作の期間も長くなる |
| 既存サイトの更新 | 文章や画像の差し替え、ページの一部の修正などを行う | 信頼関係ができると、継続して依頼されることがある |
まずは範囲のはっきりした小さな仕事から始め、経験を積みながら担当できる仕事を広げていくのが現実的な進め方です。
たとえばバナーの仕事では、「〇〇ブランドのSNSに投稿する画像を作ってほしい」といった募集に応募し、デザインツールで作って納品するのがよくある流れです。こうした仕事でツールの操作に慣れ、実績を少しずつ増やしていきます。ランディングページは、読む人を申し込みや購入へ導くための構成やデザインの知識が求められ、作業の範囲が広い分、報酬の条件もよく確認して受けましょう。既存サイトの更新は、「お知らせ欄の文章を直してほしい」「キャンペーンの画像を差し替えてほしい」といった依頼が中心で、難しさはそれほど高くないことが多いものの、継続して依頼されると収入の見通しを立てやすくなります。
収入の考え方
副業の収入は、受ける案件の種類、報酬の条件、使える時間、作業の速さによって変わります。同じ種類の仕事でも、依頼する相手や求められる作業の範囲によって報酬はさまざまです。
報酬を見るときは、金額だけでなく、修正の回数、素材を誰が用意するか、打ち合わせの有無なども含めて、どのくらいの時間がかかるかを見積もりましょう。報酬をかかる時間で割ると、時間あたりの収入がわかります。業務委託の仕事には最低賃金のルールが適用されないため、自分で条件を確かめることが大切です。最初は高い収入を期待するよりも、経験と実績を積みながら、条件のよい仕事に移っていくと考えるとよいでしょう。単価の上げ方はWebデザイナーの高単価で解説しています。
条件のよい仕事を任されるには、デザインの質だけでなく、クライアントの課題を解決するための提案や、納期を守ること、こまめな連絡といった仕事の基本が大切です。スキルを高めながら、少しずつ条件を上げていくという考え方が、長く続けることにつながります。
副業を始める前に身につけたいスキル
案件に応募する前に、次のスキルを身につけておきましょう。
| スキル | 内容 |
|---|---|
| デザインツールの操作 | Figmaや、写真の加工に使う画像編集ツールで、バナーや画面を一人で作れる |
| デザインの基本 | レイアウト、配色、文字の扱いの基本を理解し、なぜそのデザインにしたのかを説明できる |
| HTMLとCSSの基礎 | コーディングまで対応できると、受けられる案件の幅が広がる。WordPressの基礎知識も役立つ |
| 権利に関する知識 | 画像や素材、フォントの利用条件を確かめ、商用で使えるものだけを使う |
| やり取りの力 | あいまいな依頼の内容を質問で確かめ、進み具合をこまめに伝える |
デザインの基本を理解していると、たとえば「余白を広く取って、落ち着いた印象にしました」のように、選んだ理由を根拠とともに説明できるようになり、クライアントからの信頼を得やすくなります。コーディングまで対応できるかどうかは、受けられる案件の数や、条件の相談にも関わってきます。
独学で進めることもできますが、添削を受けながら学びたい場合は、スクールを利用する方法もあります。比べ方はWebデザイナーのスクールで解説しています。個別のスクールについては、WEBCOACH(ウェブコーチ)の評判、Winスクールの評判、デジタルハリウッドSTUDIO by LIGの評判、rimomo(リモモ)の評判で紹介しています。受講を考えるときは、学べる内容、添削の受け方、受講料、受講期間を公式の情報で確かめましょう。
案件の探し方
スキルが身についても、自分から仕事を探さなければ依頼は届きません。主な探し方と注意点は次のとおりです。
| 探し方 | 特徴 | 注意点 |
|---|---|---|
| クラウドソーシング | 案件の数が多く、初めての人も応募しやすい | コンペ形式は採用されなければ報酬が出ないため、作業時間とのバランスを考える |
| スキルを出品するサービス | できることを商品として出品し、購入してもらう | 対応する範囲と修正の回数を、説明文で具体的に示す |
| SNSや知人からの紹介 | 作品や制作の過程を発信していると、相談が届くことがある | 知人からの依頼でも、報酬、納期、作業の範囲を書面やメッセージで確認する |
クラウドソーシングでは、最初は小さな修正の案件などを丁寧にこなし、よい評価を積み重ねることが大切です。プロフィールの文章を充実させ、提案文を募集ごとに書き分けることも、仕事につながりやすくするポイントです。スキルを出品するサービスでは、「〇〇の部分を見やすく整えます」のように、困りごとを具体的に解決する内容にし、作業の前後がわかる例を載せると、内容が伝わりやすくなります。また、副業を始めたことを周りに伝えておくと、知り合いの事業主から相談を受けることもあります。信頼関係がある相手なので最初の実績として取り組みやすく、率直な感想ももらいやすいという利点があります。
クラウドソーシングの使い方はWebデザイナーのクラウドワークスで紹介しています。
未経験から副業を始める手順
始めるまでの流れを整理すると、次のようになります。
| 手順 | やること |
|---|---|
| 勤務先のルールを確認する | 就業規則で副業が認められているか、届け出や許可が必要かを確認する |
| 基礎を学ぶ | デザインの基本とツールの操作を学ぶ。Figmaは無料のプランから始められる |
| 作品を作る | 架空のお店やサービスを想定し、目的と見てほしい人を決めて作品を作る |
| ポートフォリオを整える | 作品と制作の意図を見られるようにする。架空の案件であることは正直に示す |
| 小さな案件から受ける | 範囲のはっきりした案件で、やり取りと納品の流れを経験する |
| 継続と条件の見直し | 丁寧な対応で継続の依頼につなげ、実績が増えたら条件を見直す |
小さな案件では、稼ぐことよりも、クライアントとのやり取りや納品までの流れを経験し、実績を増やすことを意識しましょう。一件終えるたびに気づいたことを記録しておくと、次の仕事に生かせます。実績が増えて条件を見直すときは、できるようになったことを添えて伝えると、これまでのクライアントとの関係を保ちやすくなります。
作品の見せ方はWebデザイナーのポートフォリオで詳しく紹介しています。
よくある失敗と対策
副業を始めたばかりの人は、条件の決め方、素材の権利、イメージの確認、引き受ける仕事の選び方でつまずきやすくなります。よくある失敗と対策を見ていきます。
条件を決めずに受けて作業が膨らむ
実績が欲しくて、修正の回数を決めないまま受けたり、追加の依頼に次々と応じたりすると、作業時間だけが増えてしまいます。受ける前に、作業の範囲、修正の回数、範囲を超えた場合の扱いを決め、メッセージなど記録に残る形で確認しておきましょう。修正が何度も重なると、時間あたりの収入は下がってしまいます。「ついでにこちらも直してほしい」「もう一ページ追加してほしい」といった依頼が重なり、最初の約束を超えて作業してしまうことも、副業を始めたばかりの人に起こりやすいトラブルです。範囲を超える依頼には、追加の作業として条件を相談しましょう。自分の時間を守る仕組みを作ることが、副業を長く続けるためのポイントです。
素材やフォントの権利を確認しない
インターネット上の画像を無断で使ったり、有名なブランドに似せたデザインを作ったりすると、著作権や商標権の侵害につながるおそれがあります。素材やフォントは、商用で使えるかどうかを利用規約で確かめてから使いましょう。特にフォントの利用条件は見落としやすいため注意が必要です。権利の問題が起きると、クライアントに迷惑をかけるだけでなく、損害賠償を求められるおそれもあります。
イメージを確認しないまま作り始める
おしゃれな感じで、といったあいまいな依頼のまま作り始めると、完成してから作り直しになることがあります。最初に配置の案や色の方向性を見せ、クライアントの確認を得てから本格的に作り込みましょう。確認してもらい、了承を得てから制作に進むという順番を守るだけでも、作り直しを減らしやすくなります。
読む人を欺くデザインを引き受ける
実在しない利用者の声や、使っていない商品の口コミのように見せる画像を作る依頼は、読む人を欺くことにつながります。広告であることを隠した宣伝は、景品表示法の規制の対象にもなっています。こうした依頼は受けないようにしましょう。
在宅で取り組む副業の進め方
Webデザインの副業は、仕事の多くをオンラインで進められます。チャットツールやWeb会議で打ち合わせを行い、データで納品するため、住んでいる場所に関係なく仕事を受けられます。在宅で働く方法はWebデザイナーの在宅で詳しく紹介しています。
立場によって、使える時間の作り方は変わります。会社員であれば平日の夜と休日、家事や育児と両立する人であれば家族の予定に合わせた時間、学生であれば授業の空き時間や長期休暇など、自分の生活の中で続けられる時間を決めましょう。納期に余裕のある案件を選ぶことも、無理なく続けるためのポイントです。
副業のメリットとデメリット
Webデザイナーの副業のメリットとデメリットを整理すると、次のようになります。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 場所や時間を選ばずに取り組みやすい。結婚、出産、介護など生活の変化があっても、続け方を調整しやすい | 休息や趣味に使っていた時間が減り、自己管理が必要になる。慣れるまでは思ったより制作に時間がかかることもあるため、睡眠を削らない無理のない計画を立てる |
| デザインの力は本業の資料づくりなどにも生かせる | 納期やミスへの対応を自分一人で行う責任がある。副業でも、仕事を受ければプロとして見られる |
| 自分の技術で誰かの役に立ち、報酬を受け取る経験が自信や安心感につながる | 会社のように周りがフォローしてくれる体制はないため、相応の責任感が求められる |
| 実際に納品した経験は、転職や独立を考えるときの材料になる | 契約、請求、税金の手続きなど、デザイン以外の作業が発生する |
勤務先と税金について確認したいこと
副業を始める前後には、勤務先のルール、税金の申告、取引の条件を確認しておく必要があります。それぞれのポイントを見ていきます。
勤務先の就業規則を確認する
厚生労働省の副業・兼業に関するガイドラインでは、副業や兼業を原則として認める方向が適当とされ、モデル就業規則も届出制の形に改められています。ただし、実際のルールは勤務先によって異なります。届け出や許可が必要な場合は、決められた方法で手続きを行いましょう。副業がバイトなど雇用される形の場合は、本業と副業の労働時間が通算される点にも注意が必要です。
確定申告と住民税の申告
給与を一か所から受けている会社員の場合、給与以外の所得の合計が20万円を超えると、所得税の確定申告が必要になります。条件は国税庁の給与所得者で確定申告が必要な人で確認できます。所得は収入から経費を差し引いた金額です。20万円以下で所得税の確定申告が不要な場合でも、住民税の申告が必要になることがあるため、住んでいる市区町村に確認しましょう。手続きの流れはWebデザイナーの確定申告で紹介しています。
取引の条件を確認する
2024年11月に施行されたフリーランス法では、個人に業務を委託する発注事業者に、取引条件を書面などで明示することが義務づけられています。報酬、納期、作業の範囲を確認し、トラブルに遭ったときは、フリーランス・トラブル110番などの相談窓口を利用しましょう。
始めるか迷ったときの判断基準
副業を始めるか迷ったときは、次の点を考えてみましょう。
| 考える点 | 始めやすい状態 | 準備が必要な状態 |
|---|---|---|
| 使える時間 | 毎週決まった時間を、学習や作業に使える | 本業や家庭の予定で、時間をあまり取れない |
| デザインへの関心 | 広告やサイトのデザインを見て、理由を考えることがある | デザインを意識したことがあまりない |
| ツールの経験 | デザインツールで簡単なものを作ったことがある | まったく触れたことがない |
| 修正への向き合い方 | 修正の依頼を、よりよくするための意見として受け止められる | 指摘を受けると、強く落ち込んでしまう |
準備が必要な状態に当てはまる項目があっても、学びながら整えていくことはできます。まずは手を動かして、自分に合っているかを確かめてみましょう。
副業からキャリアを広げる考え方
副業を、ちょっとした収入を得る手段で終わらせるか、将来の働き方を広げるきっかけにするかは、取り組み方によって変わります。副業で安定して仕事を受けられるようになれば、フリーランスとして独立することも選択肢に入ってきます。独立後の働き方はWebデザイナーのフリーランスで解説しています。
また、実際に報酬を受け取って納品した経験は、学んだだけの状態とは違い、転職を考えるときにも伝えられる材料になります。副業の実績をもとに、制作会社などへ正社員として転職し、さらに技術を磨く道もあります。転職の進め方はWebデザイナーへの転職で解説しています。クリエイティブ職に特化したエージェントの特徴を知りたい方は、マスメディアンの評判を紹介した記事も参考になります。取り扱う職種や求人の範囲は、公式の情報と面談で確認してください。どの道を選ぶ場合も、目の前の案件に誠実に向き合い、何を考えてどのような成果を出したのかを言葉にして残す習慣をつけておきましょう。
今日から始める最初の一歩
まずは、クラウドソーシングでバナーやランディングページの募集をいくつか読み、求められているスキルや作業の範囲を確かめてみてください。あわせて、勤務先の就業規則で副業のルールを確認しておきましょう。
普段目にしているサイトや広告を見るときに、なぜこの配色なのか、なぜこの文字の大きさなのかを考える習慣をつけることも、手軽にできる練習です。通勤の時間、昼休み、寝る前など、今の生活の中に学習の時間を決めて組み込んでおくと続けやすくなります。いつか準備ができたらと先延ばしにせず、デザインツールのチュートリアルを一つ終えてみるだけでも、次の行動に移りやすくなります。
そのうえで、デザインツールに登録し、架空のお店のバナーを一枚作ってみましょう。学ぶ、作る、見直すことを繰り返し、小さな案件で実績を積み重ねることが、Webデザイナーの副業を続けていくための道になります。
