Webデザイナーは「ひどい」仕事?きついと言われる理由と業界の現実を徹底解説
- 最終更新日:2026/10/31
Webデザイナーに興味を持って調べてみると、Webデザイナーはひどい、きつい、やめておけ、といった声を目にして不安になった人もいるのではないでしょうか。華やかなイメージとは違い、納期に追われたり、修正が続いたりと、厳しい場面があるのは事実です。ただし、そうした場面の中には、働く環境の選び方や、仕事を受ける前の確認、自分の進め方を工夫することで避けたり減らしたりできるものもあります。この記事では、Webデザイナーはひどいと言われる理由、きついと感じやすい場面、厳しい状況が起きる仕組み、それでも得られるメリット、よくある失敗、避けたい環境の見分け方、向き不向き、立場ごとの対策を解説します。
Webデザイナーはひどいと言われる理由
Webデザイナーはひどいと言われる背景には、仕事の仕組みに関わるいくつかの理由があります。主な理由を整理すると、次のようになります。
| 理由 | 起きていること |
|---|---|
| 納期に追われやすい | Webサイトには公開日があり、クライアントの都合でスケジュールが短くなったり、直前に方針の変更が入ったりすることがある |
| 求められるスキルが広い | デザインに加えて、コーディング、使いやすさの設計、検索で見つけてもらうための知識なども求められることがある |
| イメージと実際に差がある | 誇大な宣伝などから華やかな仕事を想像して入ると、細かな修正や表示の確認といった地道な作業の多さに戸惑う |
| 報酬の低い案件もある | 実績を作りたい人が条件の悪い案件を受け続けると、作業時間に見合わない報酬になりやすい |
このように、ひどいと感じる原因は一つではありません。働く環境や案件の条件によるものもあれば、自分の進め方で改善できるものもあります。原因を分けて考えることが、対策の第一歩です。
きついと感じやすい場面
Webデザイナーがきついと感じやすいのは、修正、方向性の変更、表示の確認、技術の変化、知識の幅、宣伝とのギャップに向き合う場面です。
修正の依頼が終わらない
クライアント自身が何を実現したいのかを言葉にできていない場合、もっと目立たせて、なんとなく違う、といったあいまいな指示が続くことがあります。何度も修正した末に、最初の案に戻してほしいと言われることもあり、負担が重くなります。最初の聞き取りで目的と見てほしい人を確認し、修正の回数や範囲を事前に決めておくことが自分を守る手段になります。
公開直前に方向性が変わる
時間をかけて作ったデザインが、公開の直前に、クライアントの上の立場の人の一言で覆ることがあります。こうした事態を防ぐには、最終的に誰が判断するのかを最初に確認し、早い段階でその人にもデザインを見てもらうことが大切です。
表示の確認に時間がかかる
Webサイトは、パソコンやスマートフォン、ブラウザの種類によって表示が変わります。特定の環境だけで起きる表示の崩れを調べて直す作業は、根気がいる地道な仕事です。かつては、2022年6月にサポートが終了したInternet Explorerへの対応が重い負担になることもありました。どの環境で正しく表示させるかを、契約や仕様書で事前に決めておくことが大切です。
技術の変化についていく必要がある
Webの技術やツールは変化が速く、学び続ける必要があります。2020年末にサポートが終了したFlashのように、かつて広く使われた技術が使われなくなることもあります。最近は生成AIを制作に取り入れる動きもあります。変化を負担に感じる人にとっては、きついと感じる理由になります。AIの使い方はWebデザイナーのAI活用で紹介しています。
求められる知識の幅に圧倒される
Webデザイナーには、見た目を整えるだけでなく、コーディングや動きのある表現、使いやすさの設計、検索で見つけてもらうための考え方なども求められることがあります。ボタンの色一つを変えるにも、なぜその色が利用する人の行動につながるのかを説明できないと、クライアントに納得してもらえない場面もあります。デザインが好きという気持ちだけで始めた人が、学ぶことの多さと同時に進める作業の多さに疲れてしまうことも、ひどいと言われる理由の一つです。
宣伝で見たイメージと実際の仕事が違う
学ぶ場所の宣伝の中には、自由な働き方や手軽に収入が得られるといった明るい面ばかりを強調しているものもあります。その印象のまま仕事を始めると、地味なバナー制作や細かな表示の確認が続く現実に直面し、話が違うと感じてしまうことがあります。学ぶ場所を選ぶときは、学べる内容や仕事を始めるまでの支援の範囲を確かめ、説明会などで気になることを具体的に質問してみましょう。
厳しい状況を避けるための考え方
厳しい状況の中には、働く場所や仕事の受け方で変わるものもあります。主な考え方は次のとおりです。
| 状況 | 考え方 |
|---|---|
| 納期に追われる働き方を避けたい | 自社のサービスを持つ企業など、スケジュールを社内で調整しやすい職場も検討する。求人票の事業内容や、面接での質問で働き方を確かめる |
| 修正が膨らむのを防ぎたい | 受ける前に、作業の範囲、修正の回数、範囲を超えた場合の扱いを決め、記録に残る形で確認する |
| 報酬の低い仕事から抜け出したい | ポートフォリオを整え、作業時間を見積もって条件を判断する |
| 学ぶ場所選びで失敗したくない | スクールの宣伝だけで判断せず、学べる内容や支援の範囲を公式の情報で確かめる |
正社員として働く場合の勤務先の違いはWebデザイナーの正社員、学ぶ場所の比べ方はWebデザイナーのスクールで解説しています。
フリーランスや副業で仕事を受ける場合は、2024年11月に施行されたフリーランス法も知っておきましょう。個人に業務を委託する発注事業者には、取引条件を書面などで明示することが義務づけられており(公正取引委員会のフリーランス法のパンフレットで確認できます)、一定の条件のもとで不当なやり直しの要求なども禁止されています。報酬が支払われないなどのトラブルに遭ったときは、フリーランス・トラブル110番などの相談窓口を利用しましょう。
それでも得られるメリット
厳しい面がある一方で、Webデザイナーにはほかの仕事では得にくいメリットもあります。
| メリット | 内容 |
|---|---|
| 成果が目に見える | 自分が作ったサイトが公開され、多くの人に使われる。改善の結果が数字で見えることもある |
| 場所を選ばずに働きやすい | パソコンとインターネットの環境があれば進められる仕事もあり、在宅勤務やフリーランスといった選択肢を持ちやすい |
| 仕事に役立つ考え方が身につく | 利用する人の行動を考え、情報を整理して伝える力は、デザイン以外の仕事でも役立つ |
自分が作ったサイトのURLを家族や友人に伝えるだけで、どんな仕事をしているのかを見せられるのも、この仕事ならではの楽しさです。また、パソコンとインターネットがあれば進められる仕事もあるため、住んでいる地域や家庭の事情に合わせた働き方を考えやすくなります。
成果につながるデザインを考える中で、利用する人の行動や数字の読み取り方にも自然と詳しくなります。たとえば、ボタンの色や位置を変えて二つの案を比べる経験を重ねると、数字をもとに改善を考える感覚が身につきます。こうした力は、作業を担当する立場から、提案や改善の方針づくりに関わる立場へ進むときの強みになります。
ひどい状況に陥りやすい失敗と改善策
ひどい目に遭ったと感じて業界を離れる人には、いくつかの共通点があります。よくある失敗と改善策を整理すると、次のようになります。
| よくある失敗 | 改善策 |
|---|---|
| 実績が欲しくて、報酬の低い案件ばかりを受け続ける | 作業時間を記録して時間あたりの収入を確かめ、ポートフォリオを整えて条件のよい仕事に移る |
| 聞き取りを省いて作り始め、完成後に全面的な作り直しになる | 最初に目的と見てほしい人、参考にしたいサイトを確認し、早い段階で方向性をすり合わせる |
| ツールの操作だけを身につけ、デザインの理由を説明できない | レイアウト、配色、文字の扱いの基本を学び、作品ごとに理由を言葉にする |
| 条件を確認しないまま仕事を受ける | 報酬、納期、作業の範囲、修正の回数を書面やメッセージで確認してから受ける |
| 読む人を欺くデザインの依頼を受けてしまう | 使っていない商品の口コミ風の画像や、実在しない利用者の声を作る依頼は受けない。広告であることを隠した宣伝は景品表示法の規制の対象になっている |
報酬の低い案件から抜け出すには、ポートフォリオの質を上げ、自分の強みを言葉にしたうえで、条件について相談できるようになることが大切です。制作費の根拠を説明できるようになることが、価格だけで比べられる状態から抜け出す第一歩になります。
聞き取りを省いてしまう背景には、デザインさえよければ問題ないはずだという考えがあることもあります。クライアントがなぜそのサイトを必要としているのかをくみ取れないと、完成後にイメージと違うと言われてしまいます。聞き取りの項目を事前に用意し、参考にしたいサイトをいくつか教えてもらうだけでも、認識のずれは減らしやすくなります。
特定のツールの操作だけに頼っている状態も注意が必要です。Flashのように使われなくなった技術もあるため、ツールが変わっても通用するレイアウトや配色、文字の扱いの考え方を身につけておくと、長く仕事を続けやすくなります。
避けたい環境の見分け方
入社や受注の前に、次の点を確認しておくと、厳しい環境に飛び込むリスクを減らせます。
| 確認すること | 確認する内容 |
|---|---|
| 目的の明確さ | サイトの目的と見てほしい人を、相手が説明できるか。とりあえず作ってほしい、という状態だと後から全面的な修正が起きやすい |
| 判断する人 | 最終的に誰がデザインを判断するのかが決まっているか |
| 修正と作業の範囲 | 修正の回数や、どの環境で表示を確認するかが、契約や仕様書で決まっているか |
| 報酬の妥当性 | 作業時間を見積もり、時間あたりの収入が極端に低くないか |
| 働き方の実態 | 求人票の平均残業時間や、面接での説明から、実際の働き方を確かめられるか |
| 制作実績 | 過去の制作実績を見て、品質や方向性に一定の統一感があるか |
| 確認の流れ | 要件を整理した資料や構成案を、作業の途中で確認し合う流れがあるか |
特に注意したいのは、とりあえず作ってみてほしい、という姿勢で依頼される場合です。目的が言葉になっていないため、完成間際になってから思っていたものと違うという理由で全面的な修正が起きやすくなります。サイトの目的と見てほしい人を短く説明してもらうよう頼み、はっきりした答えが返ってこない場合は、受けるかどうかを考え直すきっかけにしましょう。
報酬が極端に低い環境では、数をこなさないと収入にならないため、一つひとつの仕事が雑になりやすく、成長できないまま忙しさだけが続くことがあります。また、制作実績の品質がばらばらな場合は、社内で教える仕組みや指示を出す役割が整っていない可能性もあります。その場合、現場のデザイナーに負担が集まりやすくなるため、確認しておくと安心です。
ひどいという評判についてよくある誤解
特別なセンスがないと続けられない、というのは誤解です。Webデザインには、レイアウト、配色、文字の扱いの基本があり、学んで身につけられます。なぜそのデザインにしたのかを説明できる人は、修正の依頼にも根拠を持って向き合えます。
たとえば、見出しや余白、文字の大きさで情報の優先順位をつける考え方を知っていれば、大事な情報をどこに置くかを筋道立てて決められます。生まれつきの才能に頼らなくても、基本を学んで練習を重ねることで、仕事で通用するデザインに近づけます。
すべての制作会社が厳しい環境だ、という考え方もいつも当てはまるとは限りません。会社によって働き方は異なり、スケジュールの調整や残業の削減に取り組んでいる職場もあります。一つの体験談や評判だけで判断せず、複数の情報を確かめることが大切です。
自社のサービスを持つ企業や、企画の段階から関わる制作会社など、職場によってスケジュールの立て方は異なるため、応募前に働き方を確認しましょう。気になる会社があれば、口コミや求人票、面接での説明など、複数の情報源で残業の状況や休みの取りやすさを確かめてみましょう。
向いている人と向いていない人
仕事のつらさの感じ方は、向き不向きによっても変わります。特徴を整理すると、次のようになります。
| 向いている人 | 苦労しやすい人 |
|---|---|
| 細かな調整や確認の作業に集中できる | 細かな作業を長く続けることが苦痛に感じる |
| 新しいツールや手法を試すことを楽しめる | 新しいことを覚え続けることを負担に感じる |
| 修正の依頼を、よりよくするための意見として受け止められる | デザインを自分の作品と考え、修正を批判と受け取ってしまう |
| デザインの理由を筋道立てて説明できる | 感覚だけで作り、理由を言葉にするのが苦手 |
細かな調整に集中できる人や、新しいツールが出てきたときに、また覚えることが増えたと感じるより、試してみたいと感じる人は、この仕事を続けやすいと言えます。一方で、デザインをアート作品のように考えて修正の指示を批判と受け取ってしまう人や、なんとなくかっこいいという理由だけで作ってしまう人は、クライアントを説得できずに行き詰まりやすくなります。向いていないと感じた場合は、デザインへの考え方を見直すか、Webディレクターなど周辺の仕事も選択肢に入れてみてください。
詳しくはWebデザイナーに向いている人とWebデザイナーに向いていない人で解説しています。
ひどいと感じたときの考え方
実際に働いてみてひどいと感じたときは、原因がどこにあるのかを分けて考えましょう。状況ごとの考え方を整理すると、次のようになります。
| 状況 | 考え方 |
|---|---|
| 特定のクライアントや職場とのやり取りだけがつらい | 区切りのよいところで取引や働き方を見直し、条件のはっきりした別の相手や職場を探す |
| 報酬が支払われない、理不尽な扱いを受けている | やり取りの記録を残し、一人で抱え込まずに相談窓口に相談する |
| 作業に時間がかかりすぎている | 聞き取りや設計の進め方を見直し、作業の手順を整える |
| 修正の指摘が具体的で、学びになっている | 指摘を次の作品に生かしながら続ける |
| 工夫を続けても、仕事そのものが合わないと感じる | 無理に続けず、Webディレクターなど周辺の仕事も含めて考え直す |
立場ごとの対策
今の立場によって、準備しておきたいことは変わります。立場ごとの対策の例は次のとおりです。
| 立場 | 対策 |
|---|---|
| 会社員や学生で就職や転職を目指す人 | 応募先の働き方を求人票や面接で確かめ、納期に追われやすい受託の制作会社か、自社のサービスを持つ企業かを、自分に合うかどうかで選ぶ |
| 家事や育児と両立したい人 | 作業する場所と時間を決め、まずは納期に余裕のある小さな案件で、自分の作業の速さを把握する |
| 別の業界から転職する人 | 若い人と速さで競うのではなく、前職の経験とデザインを組み合わせて強みにする |
就職や転職を目指す場合は、学ぶ場所を比べるときに、見た目のデザインだけでなく、実際に動くコードまで学べる内容かどうかも確かめておくと、入社後の戸惑いを減らせます。
家事や育児と両立したい場合は、仕事と生活の区切りをつけるために、作業用の机やパソコンの環境を整えておくと集中しやすくなります。いきなり完全なフリーランスを目指すのではなく、パートや業務委託などで、実際の修正対応を経験しておくのも一つの方法です。
別の業界から転職する場合は、これまでの経験とデザインを掛け合わせる考え方が役立ちます。たとえば、営業の経験がある人ならクライアントの課題を言葉にしてデザインに落とし込む力、医療の仕事をしていた人なら専門知識を生かした健康に関わるサイトの制作というように、自分ならではの強みを考えてみましょう。
厳しい面について詳しく知りたい場合は、Webデザイナーはやめとけと言われる理由も参考にしてください。
厳しさを成長につなげる考え方
Webデザイナーが厳しいと言われる背景には、求められる水準が高いという面もあります。言われたとおりに作るだけの作業者ではなく、クライアントの事業がうまくいくためにデザインで何ができるかを考える姿勢を持つと、厳しい場面も自分の力を伸ばす機会として捉えやすくなります。
ネガティブな評判に振り回されるのではなく、実際の状況を確かめて対策を立てることが大切です。変化の速い業界ですが、学び続けることを楽しめる人にとっては、刺激があり、身につくことも多い仕事です。この記事で紹介した確認の項目や考え方を、自分の状況に当てはめて使ってみてください。
ひどい状況を避けるための最初の一歩
まずは、気になる求人や案件をいくつか読み、働き方や条件がどこまで書かれているかを確かめてみてください。書かれていない項目があれば、応募や受注の前に質問できるよう書き出しておきましょう。
Webデザイナーはひどい仕事だ、という評判は、ある面では事実ですが、すべてではありません。仕事の仕組みを理解し、環境を選び、条件を確かめてから仕事を受けることで、厳しい状況に巻き込まれるリスクは減らせます。始め方はWebデザイナーの始め方で紹介しています。
