Webデザイナーこそ知るべきEEATとは?SEOに強いサイト設計の重要ポイント
- 最終更新日:2026/10/23
サイト制作に携わる中で、デザインは整っているのに検索で上位に出てこない、SEOのために何をデザインに盛り込めばいいのかわからない、E-E-A-Tという言葉は聞くけれど自分の仕事とどう関係するのかイメージできない、と感じるWebデザイナーもいるのではないでしょうか。検索エンジンも利用者も、誰がどんな根拠で発信している情報なのかを重視するようになっています。WebデザイナーのE-E-A-T(EEAT)への理解は、クライアントのサイトの信頼性を形にする力につながります。この記事では、E-E-A-Tの基本を正しく押さえたうえで、四つの要素をサイトの設計やデザインでどう伝えるか、つまずきやすい点とあわせて解説します。
WebデザイナーのE-E-A-Tとは何か
E-E-A-Tは、Experience(経験)、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)の頭文字を取った言葉です。Googleが検索結果の品質を評価する担当者向けに公開している評価ガイドラインの中で使われている考え方で、2022年12月に経験が加わって今の形になりました。Googleは有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成の中で、四つの中でも信頼性が特に重要だとしています。
同じページでは、E-E-A-Tそのものはランキングに直接影響する要因ではないとも説明されています。ただ、Googleは役に立つ信頼できる情報を評価する仕組みを目指しており、E-E-A-Tはその考え方を理解する手がかりになります。そして、サイトを訪れた人が「この情報は信頼できるか」を判断する材料の多くは、デザインや情報の配置によって見えたり見えなかったりします。誰が運営しているのか、誰が書いたのか、いつ更新されたのか、どこに問い合わせればいいのか。これらが見つけやすいかどうかは、Webデザイナーの設計次第です。
お金や健康、法律のように、人の生活や財産に関わるテーマは、Googleのガイドラインで「YMYL」と呼ばれ、特に高い信頼性が求められます。保険や投資、法律相談のようなサイトを手がけるときは、監修者の情報や注意書きの見せ方まで丁寧に設計する必要があります。一方で、雑貨のECサイトや趣味のブログでも、運営者がわかることは信頼の土台になります。ジャンルを問わず、E-E-A-Tの視点を持っておくことが大切です。
E-E-A-Tの要素をデザインで伝える方法
四つの要素を、サイトの設計やデザインでどう伝えられるかを整理すると、次のようになります。
| 要素 | 設計やデザインでの伝え方の例 |
|---|---|
| 経験 | 実際の現場や商品のオリジナル写真、実際に寄せられた利用者の声の見せ方 |
| 専門性 | 著者や監修者のプロフィール欄、テーマごとに整理されたカテゴリや内部の導線 |
| 権威性 | 受賞歴やメディア掲載の実績の配置、引用されやすい図解 |
| 信頼性 | 運営者情報や問い合わせ先への導線、更新日の表示、読みやすい文字、出典の明記 |
経験はオリジナルの素材で伝える
経験を伝えるうえで効果的なのは、そのサイトならではのオリジナルの写真です。どこかで見たような素材写真ばかりのサイトより、実際の店舗や作業の様子、商品を使っている場面の写真があるサイトのほうが、運営者の実体が伝わります。たとえば料理教室のサイトなら、スタジオで撮った完成写真だけでなく、レッスンの風景を大きく見せるほうが、その教室の雰囲気が伝わります。Googleの同じページでも、独自の情報や調査、分析を提供しているかが、コンテンツを見直す観点の一つとして挙げられています。
利用者の声を載せる場合は、名前の代わりに利用のきっかけや期間などを添えると、内容がより具体的になります。ただし、掲載するのは実際に寄せられた声だけにしましょう。作った口コミを掲載したり、謝礼を渡して書いてもらったことを隠したりするのは、景品表示法のステルスマーケティング規制に触れるおそれがあります。消費者庁の案内にあるとおり、令和5年10月1日から、広告であることを隠した表示は景品表示法違反となっています。
専門性は情報の整理と著者情報で伝える
そのサイトが特定の分野に詳しいことは、情報の整理の仕方で伝わります。関連する記事がテーマごとに整理され、概要から詳しい記事へ迷わず進める構成になっていれば、利用者はこのサイトで深く学べると感じます。記事の最後に関連記事をカードで並べる、カテゴリのページに学ぶ順番を示すといった工夫が役立ちます。
あわせて、各記事の冒頭や末尾に、誰が書いたのか、誰が監修したのかを示す欄を設けましょう。名前だけでなく、専門分野、資格、所属、プロフィールページへのリンクをあわせて示すと、なぜその人がこのテーマを語れるのかが伝わります。情報の組み立て方はWebデザイナーのメソッドで解説しています。
権威性は第三者からの評価で伝える
権威性は、自分で「権威がある」と主張するのではなく、第三者からの評価を見せることで伝わります。受賞歴やメディアに掲載された実績、取引先の実績などを、サイトの雰囲気を壊さずに配置しましょう。ロゴを並べる場合は色味をそろえて控えめに見せると、主張しすぎずに伝わります。なお、他社のロゴを使うときは、掲載の許可や使用のルールを確認してください。
複雑な情報を整理した図解や比較表は、ほかのサイトから紹介や引用をされやすくなります。引用の条件をあわせて示しておくと、出典つきで紹介してもらいやすくなります。
信頼性は細部の誠実さで伝える
信頼性は、派手な演出ではなく細部の誠実さから生まれます。会社概要、プライバシーポリシー、お問い合わせへのリンクは、どのページからでもすぐにたどり着けるよう、フッターなどに常に置いておきましょう。ECサイトのように通信販売を行うサイトでは、特定商取引法に基づく表記も必要です。
記事には公開日だけでなく最終更新日を表示し、外部のデータを引用した箇所には、機関名、資料名、発行年をそろえて出典を示します。通信の暗号化(https)は今では基本で、決済の画面では使えるカードの種類や情報の扱いをわかりやすく示すと、利用者の不安を減らせます。
実装面でE-E-A-Tを支える工夫
見た目のデザインに加えて、コードやアクセシビリティの面でも、情報の確かさを伝える工夫ができます。
構造化データで記事の情報を伝える
構造化データは、ページの内容を検索エンジンにわかりやすく伝えるための記述です。記事ページなら、著者や公開日、更新日をJSON-LDという形式で書いておくと、Googleがその情報を理解しやすくなります。書き方はGoogle検索セントラルの記事の構造化データで説明されています。たとえば次のような形です。
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "Article",
"author": {
"@type": "Person",
"name": "著者名",
"url": "著者プロフィールのURL"
},
"datePublished": "2026-01-15",
"dateModified": "2026-06-01"
}
構造化データを入れたからといって順位が上がるわけではありませんが、ページの情報を正しく伝える助けになります。画面に表示している著者や日付と、構造化データの内容を一致させることが大切です。
誰にとっても読みやすい文字にする
洗練された印象を出そうとして、背景に対して薄すぎる文字色や小さすぎる文字を使うと、読みにくくなり、情報を伝えるという役割を果たせません。ウェブアクセシビリティの国際的な指針であるWCAGでは、通常の文字について、文字と背景のコントラスト比を4.5対1以上にすることが基準の一つとされています。日本ではJIS X 8341-3がこれに対応しています。コントラストは無料の確認ツールで、デザインの段階から確かめられます。
E-E-A-Tを意識した設計でつまずきやすい点
E-E-A-Tを意識していても、見た目を優先するあまり、信頼の根拠を伝えにくくしてしまうことがあります。よくあるつまずきを確認しておきましょう。
素材写真に頼りすぎる
見栄えのよい素材写真だけでサイトを組み立てると、運営者の実体や現場の様子が見えなくなります。クライアントにはできるだけ実際の写真を用意してもらいましょう。プロの撮影でなくても、スマートフォンで撮った店内やスタッフの作業の写真のほうが、そのサイトらしさを伝えられることがあります。素材を集める段階で、こうした写真を依頼するのもWebデザイナーの大切な提案です。
運営者情報を見つけにくい場所に置く
見た目をすっきりさせたいからと、会社概要や問い合わせへのリンクを極端に小さくしたり、メニューの奥に隠したりすると、利用者は不安を感じます。特にお金や法律に関わるサイトでは、責任の所在が見えないことがマイナスになります。小さくても読みやすい大きさとコントラストで、全ページ共通の場所に置けば、すっきりした見た目と透明性は両立できます。
デザインだけで信頼を作ろうとする
E-E-A-Tを支える土台は、あくまで運営者の実際の経験や専門性、誠実な情報です。中身が伴っていないのに、権威があるように見せる演出だけを重ねても、利用者にも検索エンジンにも見抜かれます。デザインの役割は、実際にある信頼の根拠を見つけやすく、伝わりやすくすることだと考えましょう。
立場ごとのE-E-A-Tの生かし方
制作会社で働いている場合は、著者情報の欄、運営者情報への導線、更新日の表示、構造化データ、文字のコントラストといった項目を、公開前の確認項目としてチームで共有しておくと、品質がそろいやすくなります。
フリーランスの場合は、こうした視点がそのまま提案の強みになります。「運営者情報を整えましょう」と伝えるだけでなく、なぜそれが利用者の安心につながるのかを説明できると、提案の説得力が増し、担える工程や単価にも表れてきます。考え方はWebデザイナーの高単価で紹介しています。案件の探し方はWebデザイナーの案件獲得で解説しています。
学習中の人は、自分が作ったデザインを見て「自分ならこのサイトを信頼できるか」「運営者がすぐにわかるか」「ここに個人情報を入力できるか」と問いかける習慣から始めましょう。自分のポートフォリオサイトに、経歴や制作の意図、連絡先をきちんと載せることも、E-E-A-Tを体感するよい練習になります。見せ方はWebデザイナーのポートフォリオで、自分で発信を続ける方法はWebデザイナーのブログで解説しています。発信の中で経験を示す考え方は、UI/UXデザイナーのE-E-A-Tも参考になります。
E-E-A-Tを提案に生かす考え方
E-E-A-Tを意識するWebデザイナーにとって、デザインは情報を包む飾りではなく、情報の確かさを伝えるための手段です。著者の欄をなぜこの位置に置くのか、運営者情報をなぜ全ページに表示するのかを、利用者の安心という観点で説明できると、クライアントとの会話の質が変わります。こうした根拠を持って判断する考え方はWebデザイナーの極意でも紹介しています。公開前には、表示の崩れや誤字、リンク切れがないかも確認しましょう。確認の方法はWebデザイナーの校正で紹介しています。
手がけたサイトを見直してみる
最初の一歩として、最近手がけたサイトや自分のポートフォリオを一つ開き、運営者情報と問い合わせ先にすぐたどり着けるか、記事に書き手と更新日が示されているか、文字は読みやすいかを確かめてみてください。足りない部分が見つかれば、それが次の制作で取り入れるべき工夫です。
