Webデザイナーが案件獲得で迷わないための教科書|受注までの流れを徹底解説
- 最終更新日:2026/10/19
Webデザインを学んだものの、最初の仕事をどう見つければいいのかわからない、クラウドソーシングに応募しても返信がない、と悩む人も多くいます。Webデザイナーの案件獲得には、ある程度決まった進め方があります。発注者に見つけてもらう入口を用意し、判断材料をそろえ、受注後の対応で次につなげる、という流れです。この記事では、未経験から最初の受注までの流れを中心に、Webデザイナーの案件獲得の方法、受注できないときの見直し方、継続案件を増やす考え方までを順番に解説します。
Webデザイナーの案件獲得方法
Webデザイナーの案件獲得の入口は一つではありません。代表的なのは、クラウドソーシング、SNSやブログでの発信、フリーランス向けエージェント、知人や地域のつながりの四つです。一つに絞らず、自分の段階や使える時間に合わせて組み合わせることで、案件が途切れにくくなります。
クラウドソーシングで実績を作る
クラウドワークス、ランサーズ、ココナラといったサービスは、実績が少ない段階から応募しやすい入口です。バナーやロゴのような小さな制作から、サイト全体のデザインまで幅広い募集があります。最初は規模の小さい案件で完了実績と評価を積み、評価がたまってから単価の高い案件へ移っていくのが一般的な進め方です。
なお、サービス上で知り合った発注者とサービス外で直接取引することは、サービスの規約で禁止されている場合があるため、利用前に規約を確認しておきましょう。使い方の詳細はWebデザイナーのクラウドワークス活用で解説しています。
SNSやブログで声がかかる状態を作る
XやInstagramで制作したデザインや、配色やレイアウトを決めた理由を発信し、問い合わせにつなげる方法です。仲介手数料がかからないうえ、発信内容を見て共感した人から依頼が来るため、方向性の食い違いが起きにくい傾向があります。すぐに成果は出にくいので、ほかの入口と並行して続けるのが現実的です。
エージェントで条件の合う案件を探す
フリーランス向けのエージェントに登録し、担当者から案件を紹介してもらう方法です。条件交渉や契約まわりを任せられるので、制作に集中しやすくなります。一方で、実務経験がある人向けの案件が中心のため、経験が浅いうちは紹介を受けにくいことも理解しておきましょう。独立して働く場合の全体像はWebデザイナーのフリーランスの働き方で紹介しています。
知人や地域のつながりを生かす
友人や前の職場の同僚、地域の交流会などで知り合った人から直接依頼を受ける方法です。もともと信頼関係があるため話が進みやすく、リピートや紹介にもつながりやすい入口です。「Webデザインの仕事を受けている」と周りに伝えておくだけでも、相談が来るきっかけになります。ただし、知り合いだからこそ、条件や報酬は最初に文字で確認しておきましょう。
未経験から最初の受注までの流れ
ここからは、未経験の状態から最初の案件を受注するまでの流れを、準備から納品後まで順番に見ていきます。
ポートフォリオで実力を見える形にする
最初に用意するのは、実力を伝えるためのポートフォリオです。実務実績がない段階では、架空のお店のサイトやバナー、LPを制作して掲載します。作品数は多さより説明の丁寧さが大切で、それぞれに「誰に向けたものか」「どんな課題を解決するためか」「なぜその配色やレイアウトにしたか」を書き添えましょう。
たとえば架空のカフェのサイトなら、「〇〇代の会社員が仕事帰りに立ち寄る店をイメージし、落ち着いた印象になるようアースカラーを中心にしました」という一文があるだけで、考え方が伝わります。構成の考え方はWebデザイナーのポートフォリオで詳しく解説しています。
プロフィールを整える
各サービスのプロフィールは、発注者が最初に目にする看板です。使えるツール(Photoshop、Figma、WordPressなど)、対応できる作業の範囲、稼働できる時間帯、連絡がつきやすい時間を具体的に書いておきます。アイコンを初期設定のままにせず、顔写真や統一感のあるイラストに変えておくと、本気で取り組んでいることが伝わりやすくなります。
小さな案件から応募する
いきなり大きな案件を狙うより、バナー制作や既存サイトの部分修正など、無理なくやり切れる案件から始めましょう。最初の数件は、報酬額よりも良い評価を得ることを優先すると、その後の応募が通りやすくなります。ただし、低い単価で受けるのは実績作りの期間だけと決めておき、評価がたまったら段階的に見直していくことが大切です。
応募してすぐに結果が出なくても、それだけで向いていないと判断する必要はありません。返信がなかった応募を振り返り、提案文やポートフォリオの見せ方を少しずつ改善しながら続けていきましょう。
案件ごとに提案文を書く
提案文は、経歴やスキルを並べた定型文の使い回しではなく、募集内容に合わせて書きましょう。発注者が知りたいのは、自分の困りごとをどう解決してくれるかです。たとえば「LP制作ができます」と書くより、「現在のLPを拝見し、最初の画面でボタンが目に入りにくい印象を受けました。改善案を〇パターンご提案できます」と書くほうが、募集をきちんと読んだことが伝わります。
自分の強みの伝え方はWebデザイナーの自己PRも参考にしてください。
契約条件を文字で確認する
受注が決まったら、作業を始める前に、制作物の範囲、納期、修正の回数、報酬額と支払日、納品データの著作権の扱いを確認しておきます。2024年11月1日に施行されたフリーランス法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)について、公正取引委員会のフリーランス・事業者間取引適正化等法のパンフレットでは、発注事業者は業務委託をしたら直ちに、給付の内容、報酬の額、支払期日などの取引条件を、書面または電磁的方法で明示しなければならないと説明されています。条件がはっきりしないときは、遠慮せず確認しましょう。
トラブルになってしまった場合は、中小企業庁のフリーランス・事業者間取引適正化等法の案内で紹介されている「フリーランス・トラブル110番」で、契約上・仕事上のトラブルについて弁護士に無料で相談できます。契約形態の基本はWebデザイナーの業務委託で解説しています。
納品まで丁寧に対応して評価につなげる
制作中は、着手したとき、ラフ案ができたとき、最終確認のとき、といった節目ごとに進み具合を伝えると、発注者は安心して待つことができます。わからない点を推測で進めず、その都度確認することで、大きな手戻りも防げます。納期を守り、丁寧なやり取りを重ねることが、評価とリピートにつながります。
案件獲得がうまくいかないときの見直しポイント
行動しているのに結果が出ないときは、次の三つを順に見直してみましょう。
ポートフォリオに制作意図が書かれているか
作品の画像を並べているだけでは、発注者は実力を判断しにくくなります。ターゲット、課題、デザインの根拠が書かれているかを確認しましょう。同じバナーでも、「〇〇代の会社員に向けて、セール期間がひと目で伝わるよう文字の大きさと色の差をつけました」と添えるだけで印象は変わります。
提案文が発注者の困りごとに向き合っているか
自分の紹介ばかりで、募集内容に触れていない提案文になっていないかを見直します。募集文の中の言葉を拾い、どこを、どう良くできるのかを一言でも具体的に書くと、検討してもらえる可能性が高まります。
応募先の選び方が合っているか
応募が多く集まる好条件の案件ばかりを狙っていると、実績の多い応募者と比べられて通りにくくなります。自分の作品と近いジャンルの案件や、規模の小さい案件にも目を向けましょう。応募するか迷ったときは、求められるツールを使えるか、指示内容が具体的か、完成後にポートフォリオに載せたいと思えるか、の三点で考えると判断しやすくなります。指示が「いい感じに」のようにあいまいな案件は、修正が長引きやすいので注意が必要です。
単発で終わらせず継続案件を増やす考え方
毎回ゼロから新しい発注者を探す状態が続くと、制作に使える時間が減ってしまいます。継続して依頼をもらえる関係を少しずつ増やしていきましょう。
得意分野をはっきりさせる
「飲食店のサイトが得意」「コーディングまで一貫して対応できる」など、自分に頼む理由を一言で伝えられるようにしておくと、発注者の候補に残りやすくなります。最初から一つに絞る必要はありませんが、手がけた案件の傾向を見ながら、得意分野を少しずつ言葉にしていきましょう。
納品後に次の提案をする
納品のときに、更新作業やバナーの追加制作、公開後の改善なども相談できることを一言添えておくと、次の依頼につながることがあります。保守や定期的な制作を月額で受けるメニューを用意しておくのも、収入を安定させる一つの方法です。
デザインの根拠を成果の視点で説明する
見た目の良さに加えて、「問い合わせを増やしたい」「商品の魅力を伝えたい」といった発注者の目的に沿って、なぜこのデザインにしたのかを説明できると、信頼が深まります。提案のときに簡単な構成案や参考サイトを添えるのも、丁寧さが伝わる方法です。単価を上げていく考え方はWebデザイナーの高単価案件で詳しく解説しています。
入口を一つに頼りすぎない
一つのサービスだけに頼っていると、規約の変更やアカウントの停止などがあったときに、収入が一気に途絶えるおそれがあります。クラウドソーシングで実績を作りながら、SNSでの発信や知人へのお知らせも並行して続けておくと、入口が一つ不調でもほかで補えます。
案件獲得でよくある誤解
資格がないと案件は取れない、と考える人もいますが、Webデザインの仕事では資格よりもポートフォリオで判断されることが多くあります。厚生労働省の職業情報提供サイトjob tag(Webデザイナー)でも、入職にあたって特に学歴や資格は必要とされないが、デザインの基礎知識・技術は必要と説明されています。また、利用者に支持されるサイトを作ることができるかという個人のスキルが問われる職業のため、実績を積んでフリーランスになる場合もあると記載されています。資格は知識の整理に役立ちますが、取得に時間をかけすぎるより、作品を一つでも多く形にするほうが案件獲得には近道です。資格の位置づけはWebデザイナーの資格で整理しています。
地方に住んでいると不利、という考えもありますが、リモートで完結する案件もあり、住んでいる場所に関係なく応募できる案件も見つかります。ただし、打ち合わせのための出社や来社を条件にしている案件もあるので、募集内容は確認しておきましょう。在宅での働き方はWebデザイナーの在宅ワークで紹介しています。
働き方に合わせた始め方
会社員の副業として始めるなら、稼働できる曜日や時間帯をプロフィールに明記し、短期間で終わる案件から始めると本業と両立しやすくなります。副業ならではの注意点はWebデザイナーの副業で解説しています。
家事や育児と両立したい人や学生の場合も、まずは作業時間を見積もりやすい小さな案件から始め、無理のない納期で受けることが大切です。主婦や主夫の方の始め方は主婦のWebデザイナーで、学生の方の始め方は大学生のWebデザイナーで紹介しています。
最初の受注に向けて今日やること
まずはポートフォリオの作品に、ターゲット、課題、制作意図の三つが書かれているかを確認してください。次に、各サービスのプロフィールを更新し、自分の作品に近いジャンルの案件を探して、募集内容に合わせた提案文で応募してみましょう。あわせて、周りの人やSNSで「Webデザインの仕事を受けている」と伝えておくと、応募以外の入口も少しずつ増えていきます。
