Webデザイナー転職を成功させる自己PRの作り方|経験・スキル別の構成案
- 最終更新日:2026/10/31
Webデザイナーへの転職活動で、自己PRに何を書けばよいか悩んでいる人もいるのではないでしょうか。誇れるようなセンスがない、未経験なので実績がない、と感じて手が止まってしまうこともあるかもしれません。しかし、Webデザイナーの自己PRで大切なのは、特別な才能を見せることではなく、これまでの経験から身につけた強みが、Webデザインの仕事でどのように役立つのかを筋道立てて伝えることです。この記事では、Webデザイナーの自己PRが重視される理由、採用担当者が見ている点、志望動機との違い、基本の構成、魅力的にするコツ、経験別の例文、よくある失敗、状況ごとの書き方、面接で伝えるときの工夫、提出前の確認項目を解説します。
Webデザイナーの自己PRが重視される理由
Webデザイナーの選考では、ポートフォリオで技術の水準を確認できます。それでも自己PRが重視されるのは、作品だけでは見えない点を確かめたいからです。主な理由は次のとおりです。
| 理由 | 企業が確かめたいこと |
|---|---|
| 仕事の進め方を知りたい | 納期を守るための段取り、チームでのやり取り、問題が起きたときの対応など、作品には表れない力 |
| 活躍する姿を想像したい | その人の強みが、自社のどのような仕事や課題の解決に役立ちそうか |
| 学び続ける姿勢を見たい | 変化の速いWebの技術を、自分から学び続けられるか |
自己PRは、ポートフォリオでは伝わらない自分の強みを言葉にして伝える機会です。仕事内容や求められる知識は、厚生労働省の職業情報提供サイトjob tag(Webデザイナー)でも確認できます。自分の適性を考えるときはWebデザイナーに向いている人も参考になります。
自己PRと志望動機の違い
自己PRと志望動機は、どちらも応募書類や面接で問われますが、伝える内容が異なります。違いを整理すると、次のようになります。
| 比べる点 | 自己PR | 志望動機 |
|---|---|---|
| 伝えること | 自分にはどのような強みがあり、どう役立てられるか | なぜWebデザイナーなのか、なぜその会社なのか |
| 中心になる材料 | 強みを裏づける経験や行動 | 関心を持ったきっかけと、応募先への共感 |
| 締めくくり | 強みを生かした入社後の貢献 | その会社で実現したいこと |
両方で同じことを書いてしまうと、伝えられる情報が少なくなります。役割を分けて書きましょう。志望動機の書き方はWebデザイナーの志望動機で解説しています。
採用担当者が見ているポイント
Webデザイナーの自己PRでは、強みが制作の仕事で生かせるか、根拠となる事実があるか、応募先の仕事の進め方と合うかが見られます。
強みが制作の仕事で生かせるか
コミュニケーション力があります、と書くだけでは、仕事でどう役立つのかが伝わりません。クライアントのあいまいな要望を聞き取り、具体的な内容に整理できる、というように、Web制作の仕事に結びつけて言葉にすることが大切です。
強み、実務でどう生かせるか、会社にとってどのような利点があるか、という三つの段階の筋道が通っているかを、自分で確かめてみましょう。強みがあいまいなままだと、採用しても何を任せればよいかわからない、という印象を与えてしまいます。たとえば、複数の作業を同時に抱えたときに、どのように優先順位をつけ、相手に報告したか、といったエピソードは、作品には表れない仕事の進め方を伝える材料になります。
根拠となる事実があるか
一生懸命努力しました、といった言葉だけでは、強みがあることの裏づけになりません。何を、どのくらいの期間、どのように続けてきたのか、その結果どうなったのかを、事実に基づいて書きましょう。数字で示せる場合は数字を使い、示せない場合は、続けた期間や取り組みの内容を具体的に書くと伝わりやすくなります。
勉強中です、と書くだけよりも、「講座を終えた後も、架空のサイトの制作を続け、〇〇で意見をもらいながら改善しています」のように、今も続けている行動を書くと、学び続ける姿勢が伝わります。毎日、〇〇の期間続けた、〇〇人に話を聞いた、というように、頻度、期間、人数などを示す言葉で、なんとなく頑張ったという印象を避けましょう。
応募先の仕事の進め方と合うか
速さを重視する会社もあれば、使いやすさをじっくり突き詰める会社もあります。応募先のサイトや制作実績を調べ、求められている強みに合わせて、伝える経験や言葉を選びましょう。たとえば、速さを大切にする会社には作業を効率よく進める工夫を、品質を大切にする会社には丁寧に確認する姿勢を中心に伝える、というように書き方を調整します。
自己PRの基本の構成
わかりやすい自己PRにするには、次の順番で組み立てるのがおすすめです。
| 順番 | 書く内容 | 書き方のポイント |
|---|---|---|
| 強み | 自分の強みを一言で伝える | 真面目さなど誰にでも当てはまる言葉より、情報を整理して見やすく伝える力など、デザインの仕事に結びつく表現を選ぶ |
| 根拠 | なぜその強みがあると言えるのかを説明する | 前職や学習の中での経験と結びつける |
| エピソード | 強みを発揮した具体的な場面を伝える | どのような状況で、何をして、どうなったかの順に書く |
| 貢献 | 入社後に強みをどう生かすかを伝える | 応募先の仕事内容と結びつけ、何にどう役立てたいかまで書く |
エピソードの結果を数字で示せない場合は、周りの人からどのような評価を受けたかを添えるのも一つの方法です。
書き出しは、「私の強みは、利用する人が迷わないように情報を整理する力です」のように、デザインの仕事に結びついた言葉で一言で簡潔に示します。コミュニケーション力、真面目さといった誰にでも使える言葉よりも、情報の優先順位を見た目で伝える力、利用する人の動きを考えた構成の力のような表現を意識しましょう。根拠では、「前職のお客様対応の経験から、利用する人がどこで迷いやすいかに気づく習慣が身につきました」のように、過去の経験とのつながりをはっきりさせます。もともと好きだったから、というだけでは根拠として弱いため、経験や行動の積み重ねを示すことが大切です。
締めくくりでは、頑張ります、で終わらせず、何を、どのように、どのような形で役立てたいかまで書き切りましょう。「この強みを生かし、貴社の〇〇の制作で、クライアントの期待に応えるデザインを提案したいと考えております」のように書くと、入社後の姿を想像してもらいやすくなります。
自己PRを魅力的にするコツ
Webデザイナーの自己PRを魅力的にするには、デザインの判断の理由、前職の経験、自分から動いた行動、事実に基づく内容を意識しましょう。
デザインの判断の理由を言葉にする
選んだ理由を語る例としては、「見てほしい人が〇〇の世代の女性向けの通販サイトだったため、信頼感と上品さを両立できるよう、紺と白を基本の色に選びました」のような伝え方があります。ツールの名前を並べるより、判断の流れを見せることを意識してください。
ツールが使えます、と書くだけでは、操作ができることしか伝わりません。採用担当者が知りたいのは、なぜその色や配置を選んだのかという考え方です。たとえば、自分の作品で文字と背景の色の差を確保したことを伝える場合、Webのアクセシビリティの国際的な指針であるWCAGでは、通常の文字のコントラスト比を少なくとも4.5対1とする基準があります。こうした基準を意識して配色を決めた、と説明できると、根拠を持って作れる人だと伝わります。
前職の経験を強みに変える
未経験の人にとって、前職の経験は武器になります。事務の仕事で身につけた正確さ、営業の仕事で身につけた聞き取りの力、接客の仕事で身につけた相手の気持ちを察する力は、どれもWebデザインの仕事で役立ちます。関係のない仕事だった、と考えずに、デザインの仕事のどの場面で生かせるかを考えてみましょう。締め切りを守る段取り、相手の意図を読む力、細かな点への注意力など、どの仕事でも磨ける力はたくさんあります。自分の経歴を弱みではなく、ほかの人にはない個性ととらえ直しましょう。転職の進め方はWebデザイナーへの転職で解説しています。クリエイティブ職に特化したエージェントの特徴を知りたい方は、マスメディアンの評判を紹介した記事も参考になります。取り扱う職種や求人の範囲は、公式の情報と面談で確認してください。
自分から動いた行動を示す
Webの仕事では、わからないことを自分で調べて解決する力が求められます。講座で学びました、で終わらせず、自分で始めて続けていることを具体的に書きましょう。たとえば、既存のサイトの改善案を作って人に見てもらっている、といった行動は、自分から学ぶ姿勢の裏づけになります。学び方はWebデザイナーの勉強法で紹介しています。
事実だけを書く
自己PRに書く経験や成果は、事実に基づいたものに限りましょう。面接では内容を深く質問されるため、誇張した内容はすぐに説明がつかなくなります。前職での成果を書くときは、社外に出してはいけない情報を含めないよう注意が必要です。
未経験者向けの例文
次の例文は書き方の参考です。〇〇の部分や経験の内容は、自分の事実に合わせて書き換えてください。
事務の経験から正確さを伝える場合
「私の強みは、細かな点まで確認し、正確に仕上げる力です。前職の事務職では、〇〇の書類やデータを扱い、入力の誤りを防ぐための確認の手順を自分で作って運用してきました。この経験を生かし、独学で制作した作品では、スマートフォンとパソコンの両方での表示を確認項目に沿って点検し、文字の誤りや配置のずれがないよう仕上げています。貴社の制作においても、確認を徹底した正確な仕事で、チームの品質を支えたいと考えております。」
接客の経験から利用する人の視点を伝える場合
「私の強みは、相手が言葉にしない困りごとに気づき、解決策を考える力です。〇〇での接客の仕事では、お客様の様子から必要としていることを察し、先回りして提案することを心がけてきました。自分で作ったサイトでは、知人に実際に操作してもらい、迷った箇所を聞き取ってメニューの配置を見直しました。貴社でも、利用する人の立場に立って、迷わずに目的を果たせるデザインを考えていきたいと考えております。」
経験者向けの例文
経験者の場合は、具体的な成果と、自分の得意な分野をはっきりさせることが大切です。
制作会社での経験から提案力を伝える場合
「私の強みは、クライアントの目的から考えて、根拠のあるデザインを提案する力です。現職の制作会社では、〇〇を中心としたサイトの制作に携わり、アクセスの状況を分析したうえで、ページの構成やボタンの配置の改善を提案してきました。その結果、〇〇という成果につながりました。すべてのデザインに理由を持たせることを大切にしており、エンジニアやディレクターとも円滑に連携できます。貴社の〇〇の制作で、成果につながるデザインを提案していきたいと考えております。」
よくある失敗と改善策
よかれと思って書いた内容が、評価を下げてしまうこともあります。よくある失敗と改善策を整理すると、次のようになります。
| よくある失敗 | 評価が下がる理由 | 改善策 |
|---|---|---|
| 頑張ります、という意欲だけを伝える | 強みの裏づけがなく、仕事で発揮できるかがわからない | 目標に向けてどのような行動を続けてきたかを事実で書く |
| 教えてほしい、という書き方になっている | 自分で学ぶ力がないように見える | 自分で学んで身につけたことと、早く役立ちたい意欲を伝える |
| 専門用語やツールの名前を並べるだけになっている | そのスキルで何ができるのかが伝わらない | スキルを使ってどのような課題を解決できるかまで書く |
| センスには自信があります、と書く | 人によって受け取り方が異なり、評価の基準にならない | 見てほしい人や目的に合わせて、デザインを決める考え方を伝える |
| 何でもできます、と書く | 特に優れた強みがないように見える | これだけは強みと言える軸を一つ決めて伝える |
センスという言葉は人によって受け取り方が異なり、採用担当者が確かめる方法もありません。代わりに、「見てほしい人の年齢層やブランドの印象をもとに、デザインの雰囲気を筋道立てて決められます」のように、どのような手順でデザインを決めているかを伝えると、信頼につながります。何でもできます、と書きたくなったときは、バナーを作る速さ、清潔感のある配色、コーディングの正確さなど、一つの軸を選んで強調しましょう。副業などで実際に仕事をした経験があれば、その経験をエピソードとして盛り込むのも効果的です。
状況ごとの書き方のポイント
今の立場によって、自己PRで強調するとよい点は変わります。状況ごとの考え方の例は次のとおりです。
| 状況 | 強調するとよい点 |
|---|---|
| 別の業界から転職する社会人 | スケジュール管理、会議の進行、お客様との調整など、制作の進行にも生かせる仕事の力 |
| 家事や育児から再就職を目指す人 | 限られた時間で学習を続けてきた時間管理の力と、サービスを利用する生活者としての視点 |
| 学生や新卒 | 学習に取り組んできた量と継続、新しいツールを積極的に試す姿勢 |
| 副業で実務を経験している人 | クライアントとのやり取りから納品までを一人でやり遂げた経験 |
別の業界から転職する人は、「前職で〇〇名のチームの作業の進み具合を管理してきました。この調整の力を、制作の進行を補佐する仕事に生かしたいと考えています」のように、仕事の内容が伝わる書き方をすると効果的です。家事や育児から再就職を目指す人は、「子育ての合間の時間を使って〇〇の期間学習を続け、育児用品を比べるサイトの改善案を作り、同じ世代の知人に意見をもらいました」のように、行動の具体性と利用者としての視点の両方を伝えましょう。学生や新卒の場合は、「〇〇の時期から独学を始め、架空の依頼を想定したサイトを〇〇本制作しました」のように、取り組んだ量と続けてきたことを示すと伝わりやすくなります。
副業で実務を経験する方法はWebデザイナーの副業で紹介しています。
面接で自己PRを伝えるときの工夫
面接では、ポートフォリオを見せながら話す、失敗から学んだことを話す、応募先の仕事と結びつける、という点を意識すると、自己PRが伝わりやすくなります。
ポートフォリオを見せながら話す
面接では、言葉だけで説明するのではなく、作品を見せながら、この部分で自分の強みをこう生かした、と話しましょう。たとえば、「この作品のメニューの配置は、私の強みである〇〇を生かして、このように工夫しました」のように、作品と強みを結びつけて説明します。どの作品をどの順番で見せるかを事前に決めておくと、伝えたいことが整理されます。作品の見せ方はWebデザイナーのポートフォリオで詳しく紹介しています。
失敗から学んだことを話せるようにする
面接では、強みについて深く質問されることがあります。うまくいかなかった経験を聞かれたときに、原因をどう考え、どう改善したかを話せると、自分を客観的に見られる人だと評価されます。
応募先の仕事と結びつけて話す
応募先の制作実績を調べ、自分の強みが会社のどのような仕事で生かせるのかを伝えましょう。たとえば、「貴社が制作された〇〇のサイトの情報の整理の仕方を拝見し、私の強みである〇〇を生かせる環境だと感じました」のように、調べた内容に基づいて話します。どの会社でも通じる話よりも、応募先に合わせた話のほうが印象に残ります。キャリアの将来像を話すときはWebデザイナーのキャリアパスも参考になります。
自己PRにもう一段の魅力を加える工夫
さらに印象に残る自己PRにするために、次のような工夫も考えてみましょう。
経験の組み合わせで独自性を示す
デザインとコーディング、デザインと営業の経験のように、複数の要素を組み合わせると、自分ならではの強みが生まれます。たとえば、前職で法律に関わる知識を身につけた人がWebデザインを学べば、士業の事務所のサイトを作る場面で、その知識を生かせる可能性があります。自分のこれまでの歩みを、会社にとっての利点として言葉にしましょう。
デザインの動きへの自分の考えを添える
「誰にとっても見やすいデザインが求められる場面があることを踏まえ、自分の制作でも、色の見え方の違いに配慮した配色を取り入れています」といった一言を添えると、日頃から情報を集めている姿勢が伝わります。流行を追うだけでなく、自分の制作にどう取り入れているかまで書くことが大切です。
その会社で働きたい理由を最後に添える
どの会社でも通じる自己PRは、この会社でなくてもよい、と受け取られるおそれがあります。応募先の制作実績や考え方に触れながら、自分の強みがその会社でどう役立つのかを最後に一言添えると、採用担当者の記憶に残りやすくなります。
提出前の確認項目
書き上げた自己PRは、提出する前に次の点を確認しましょう。
| 確認すること | 確認する内容 |
|---|---|
| 強みの明確さ | 最初に強みが一言で書かれているか |
| 根拠とエピソード | 強みを裏づける具体的な経験が、状況、行動、結果の順に書かれているか |
| 客観的な事実 | 数字、頻度、期間など、事実を示す情報が入っているか |
| 行動の結果 | 頑張ります、努力しました、だけで終わらず、行動の結果が示されているか |
| 事実の確認 | 誇張した内容や、社外に出してはいけない情報が含まれていないか |
| 応募先との結びつき | 応募先の仕事内容に合わせた言葉で書かれているか |
| 締めくくり | 入社後にどのように役立ちたいかが、具体的に伝わる終わり方になっているか |
| あいまいな表現 | センスがあります、何でもできます、といった表現が残っていないか |
| 分量 | 応募書類の欄や、指定された文字数に収まっているか |
自己PRを書くための最初の一歩
まずは、これまでの仕事や学習の経験を書き出し、その中で自分が工夫したこと、周りから評価されたことに印をつけてみてください。次に、応募したい会社のサイトや制作実績を読み、どのような強みが求められていそうかを考えましょう。
そのうえで、強み、根拠、エピソード、入社後の貢献の順に並べて、一度文章にしてみましょう。書いたものを信頼できる人に読んでもらい、伝わるかどうかを確かめると、さらによい自己PRに仕上げられます。
