主婦がWebデザイナーとして在宅ワークを始めるガイド|家事・育児と両立するコツ
- 最終更新日:2026/10/31
家事や育児をしながら在宅で働けるスキルを身につけたいと考え、主婦のWebデザイナーという働き方に関心を持っている人もいるのではないでしょうか。Webデザインの仕事は、パソコンとインターネットの環境があれば自宅で進められ、家族の予定に合わせて作業の時間を組み立てやすいのが特徴です。ただし、短い時間で楽に収入を得られる仕事ではなく、基礎を学び、作品を用意してから仕事を受ける準備が必要です。この記事では、主婦のWebデザイナーが在宅で働けるか、主な仕事内容、収入の考え方、家事や育児と両立するコツ、メリットと注意点、よくある失敗、必要なスキル、案件の探し方、始める手順、扶養の範囲で働く場合の確認点を解説します。
主婦のWebデザイナーは在宅で働けるか
主婦のWebデザイナーとして、在宅で仕事をすることはできます。仕事内容は、厚生労働省の職業情報提供サイトjob tag(Webデザイナー)でも確認できます。クライアントが見ているのは、年齢や経歴よりも、目的に合ったデザインを作れるかどうかです。打ち合わせや納品はオンラインで行えるため、通勤の必要がなく、子どもが寝ている時間や家事の合間に作業を進めることもできます。
特に、SNSに投稿する画像やWeb広告用のバナーなど、範囲の小さな仕事は、続けて長い時間を取りにくい人でも取り組みやすい仕事です。一方で、未経験からいきなり規模の広い案件を受けるのは難しいため、まずは基礎を学び、自分の力を示す作品を用意する準備期間を設けましょう。在宅で働く方法はWebデザイナーの在宅でも詳しく紹介しています。
在宅でできる主な仕事
Webデザイナーが在宅で受けられる主な仕事と、家事や育児と両立するときの特徴を整理すると、次のようになります。
| 仕事 | 内容 | 両立のしやすさ |
|---|---|---|
| バナーやSNS用の画像 | 広告用の画像や、SNSに投稿する画像を作る。動画のサムネイル画像などの依頼もある | 一枚単位で作業のゴールがはっきりしているため、短い時間でも進めやすい |
| ランディングページのデザイン | 商品やサービスを紹介する縦長のページを作る | 構成を考える力が必要で、長めの作業時間を確保する工夫がいる |
| サイトの更新や保守 | 既存のサイトの文章や画像の差し替え、お知らせの投稿などを行う | 信頼関係ができると継続して依頼されやすく、作業の量も見通しやすい |
| コーディング | HTMLやCSSで、デザインをWebページの形にする | デザインからページの形まで対応できると、受けられる仕事の幅が広がる |
デザインは作れてもコードは書けないという人もいるため、コーディングまで続けて受けられるようになると、制作会社を通さずに直接依頼を受ける機会も増えやすくなります。サイトの更新では文字や画像の差し替えなど正確さが求められるため、作業ごとに確認の手順を決めてミスを防ぐことが、信頼につながります。
まずは範囲の小さな仕事から始め、慣れてきたら担当できる仕事を少しずつ広げていきましょう。副業として始める方法はWebデザイナーの副業で紹介しています。
収入の考え方
在宅のWebデザイナーの収入は、受ける案件の種類、報酬の条件、使える時間、作業の速さによって変わります。同じバナーの制作でも、依頼する相手や修正の回数、素材を誰が用意するかによって、かかる時間と報酬は異なります。
報酬を見るときは、作業にかかる時間を見積もり、時間あたりの収入を確かめましょう。業務委託の仕事には最低賃金のルールが適用されないため、始めたばかりの時期は時間あたりの収入が低くなることもあります。経験を積んで作業が速くなり、継続して依頼してくれるクライアントが増えると、収入の見通しを立てやすくなります。収入の考え方はWebデザイナーの年収で詳しく解説しています。
家事や育児と両立するコツ
主婦のWebデザイナーが家事や育児と両立するには、作業の割り振り、納期の余裕、集中できる場所づくりを意識すると続けやすくなります。
細切れの時間に作業を割り振る
続けて長い時間を取るのが難しい場合は、短い時間でできる作業と、集中が必要な作業を分けて考えましょう。メールの返信や素材探しは朝の短い時間に、デザインの作業は子どもが寝ている時間に、修正の対応は夜に、というように、生活の流れに合わせて作業を割り振ると進めやすくなります。
納期に余裕を持たせる
子どもの急な発熱など、予定どおりに作業できない日もあります。クライアントとの約束の納期より前に、自分の中の締め切りを設定しておきましょう。余裕を持って仕上げる習慣が、信頼を得て仕事を続けるための支えになります。
集中できる場所を作る
家族が使うテーブルでは、どうしても家事に意識が向きがちです。部屋の一角に作業用の机を置く、作業中は音を遮るイヤホンを使うなど、仕事に切り替えられる工夫をしてみましょう。
一日の過ごし方の例
在宅で働く生活をイメージしやすいよう、小さな子どもを育てながら働く場合の一日の流れの例を紹介します。あくまで一つの例であり、家族の状況や子どもの年齢によって変わります。
| 時間帯 | 過ごし方の例 |
|---|---|
| 朝 | 朝食の準備や子どもの支度の合間に、メールを確認して一日の予定を整理する |
| 子どもを送り出した後の午前 | 軽い家事を済ませ、集中が必要なデザインの作業を進める |
| 昼 | 昼食や子どもの昼寝の対応をしながら、短い時間で素材を探す |
| 午後 | デザインの作業の続きや、学習の時間にあてる |
| 夕方から夜 | お迎え、夕食、お風呂、寝かしつけなど家族との時間を優先する |
| 子どもが寝た後 | 軽い修正の対応や、翌日の作業の確認、学習を行う |
このように、一日の中の空いた時間をつなぎ合わせて作業の時間を作ります。自分の生活に合わせて、どの時間に何をするかを書き出してみると、使える時間が見えてきます。
主婦が目指すメリットと注意点
主婦がWebデザイナーを目指すメリットと注意点を整理すると、次のようになります。
| メリット | 注意点 |
|---|---|
| 子どもの成長や家族の状況に合わせて、働く時間や量を調整しやすい | 始めたばかりの時期は作業に時間がかかり、時間あたりの収入が低くなりやすい |
| クライアントに喜ばれる経験が、社会とのつながりや自信につながる | 一人で作業する時間が長く、孤独を感じたり、座りっぱなしで体に負担がかかったりする |
| 作品や実績があれば、将来の再就職のときにも自分の力を示せる | 請求書の発行、経費の記録、確定申告などの事務作業を自分で行う必要がある |
働き方を変えやすいことも、主婦にとっての利点です。子どもが小さいうちは在宅で短い時間だけ働き、子どもが成長したら時間を増やす、手が離れたらフリーランスとして本格的に働くなど、家族の状況に合わせて選び直せます。仕事をしていない期間が気になる場合も、在宅で制作に取り組んだ作品や実績があれば、その期間に何をしていたかを具体的に伝えられます。
注意点への備えとしては、一定の時間作業したら立ち上がって体を動かすといった自分なりのルールを決める、SNSなどでWebデザインを学ぶ仲間を作って孤独を感じにくくする、早い段階から会計ソフトなどで経費や売上を記録する習慣をつける、といった工夫が役立ちます。始めたばかりの時期の時間あたりの収入の低さは、学びながら報酬も得られる時期と考えると、気持ちを保ちやすくなります。確定申告などの手続きはWebデザイナーの確定申告で紹介しています。
よくある失敗と改善策
主婦がWebデザイナーを目指すときにつまずきやすい例と、その改善策を整理すると、次のようになります。
| よくある失敗 | 改善策 |
|---|---|
| 完全に学んでからと考え、講座や教材を次々と増やしてしまう | 基礎を一通り学んだら、作品づくりや小さな案件で手を動かすことを優先する |
| 実績が欲しくて、修正の回数を決めない低い報酬の仕事を受け、家事や育児の時間が削られる | 受ける前に、修正の回数、納期、作業の範囲を決めて確認する |
| 自分の好みでデザインし、クライアントの目的からずれる | 目的と見てほしい人を確認し、同じ種類のサイトや広告を研究してから作る。デザインは自分を表現するものではなく、クライアントの課題を解決するための手段だと意識する |
| 使っていない商品の口コミ風の画像など、読む人を欺く依頼を受けてしまう | こうした依頼は受けない。広告であることを隠した宣伝は景品表示法の規制の対象になっている |
向いている人の特徴
次のような特徴に当てはまる人は、Webデザイナーの仕事に取り組みやすい場合があります。
| 特徴 | 仕事に生きる場面 |
|---|---|
| チラシや広告を見て、なぜこの色や配置なのかを考えることがある | クライアントの目的に合ったデザインを考える場面 |
| 細かな作業や確認を丁寧に続けられる | 文字の修正や配置のずれを直す場面 |
| わからないことを自分で調べて解決できる | 一人で作業しながら、ツールの使い方などを調べる場面 |
| 修正の依頼を、よりよくするための意見として受け止められる | クライアントの要望に合わせて作品を直す場面 |
たとえば、スーパーのチラシを見て、この赤い文字は目立つけれど、もう少し余白があったほうが読みやすい、と感じたことがあれば、それはデザインを考える力の芽といえます。家事の工夫や育児の悩みをインターネットで調べて解決するのが得意な人は、ツールの使い方を自分で調べる力もすでに持っています。また、このボタンの色をもう少し明るくしてほしい、といった依頼に気持ちを切り替えてすぐ対応できる人は、クライアントから続けて依頼されやすくなります。
身につけたい基礎スキル
在宅で仕事を始めるために、次のスキルを身につけましょう。
| スキル | 内容 |
|---|---|
| デザインツール | Figmaや画像編集ツールで、バナーや画面を作れる。Figmaには無料で始められるプランがある。プランの内容は公式の情報で確認する |
| デザインの基本 | 関連する情報を近くに置く、端をそろえる、同じルールを繰り返す、強弱をつけるといった基本を理解し、デザインの理由を説明できる |
| HTMLとCSSの基礎 | デザインがWebページとしてどう作られるかを理解し、作りやすいデザインを考えられる |
| パソコンの基本操作 | メールや文書作成、インターネットでの検索ができれば始められる。ツールの操作は繰り返すうちに身につく |
画像編集ツールでは、まずレイヤーの考え方、文字の扱い、画像の書き出し方を覚えましょう。どちらのツールも無料のプランや試用版から始められるものがあるため、まずは触ってみることが大切です。デザインの基本については、なんとなくばらばらに見えるデザインは、端がそろっていないことが原因になっている場合があります。センスに頼るのではなく、理由を説明できるデザインを作る力が、クライアントからの信頼につながります。HTMLとCSSは、コードを書けなくてもデザインはできますが、仕組みを理解していると、ページとして作りやすいデザインを考えられるようになります。
学び方はWebデザイナーの勉強法で詳しく紹介しています。限られた時間で学ぶため、わからないことを質問できる環境が欲しい場合は、スクールを利用する方法もあります。比べ方はWebデザイナーのスクールで解説しています。個別のスクールについては、WEBCOACH(ウェブコーチ)の評判、Winスクールの評判、デジタルハリウッドSTUDIO by LIGの評判、rimomo(リモモ)の評判で紹介しています。受講を考えるときは、学べる内容、質問の方法、受講料、受講期間を公式の情報で確かめ、家事や育児と両立できるかを比べましょう。
在宅で案件を探す方法
在宅で仕事を探す主な方法と注意点は次のとおりです。
| 探し方 | 特徴 | 注意点 |
|---|---|---|
| クラウドソーシング | さまざまな案件が掲載されており、初めての人も応募しやすい | コンペ形式は採用されなければ報酬が出ないため、使える時間とのバランスを考える |
| スキルを出品するサービス | 得意なデザインを商品として出品し、購入してもらう | 対応する範囲と修正の回数を、説明文で具体的に示す |
| SNSでの発信 | 作品や制作の過程を発信し、依頼につなげる | 子どもの写真や住んでいる地域がわかる情報など、家族の個人情報を載せないよう注意する |
クラウドソーシングのコンペに応募した場合は、採用されなくても、採用された作品と自分の作品を見比べることで、求められている水準を知ることができます。スキルを出品するときは、個人事業主の女性向け、子ども向けの教室向けなど、見てほしい相手を絞ると、主婦ならではの視点が伝わりやすくなります。営業が苦手な人は、SNSで作品を継続して公開し、見つけてもらう仕組みを作っておくと、長い目で見て仕事につながりやすくなります。
収入を得るまでの手順
家事や育児と並行しながら進めるための流れを整理すると、次のようになります。かかる期間には個人差があるため、家族の予定に合わせて無理なく進めましょう。
| 手順 | やること |
|---|---|
| 環境を整えて基礎を学ぶ | パソコンを用意し、デザインの基本とツールの操作を学ぶ。理解することより、手を動かすことを優先する |
| 作品を作る | 架空のお店や教室などを想定し、目的と見てほしい人を決めて、種類の違う作品を作る |
| 小さな案件で実績を作る | 範囲の小さな仕事から受け、丁寧な対応と納期を守ることを徹底する |
| 継続の依頼につなげる | 一度仕事をしたクライアントに、関連する作業も提案し、継続して依頼してもらえる関係を作る |
作品は、架空のカフェのバナーや、架空の整骨院の紹介ページなど、種類の違うものを用意すると、何を作れるかが伝わりやすくなります。継続の依頼につなげるときは、バナーを納品したクライアントに、SNS用の画像も作りましょうかと提案するなど、相手の役に立つ関連の作業を考えてみましょう。作品の見せ方はWebデザイナーのポートフォリオで詳しく紹介しています。
無理なく続けるための仕事量の調整
主婦がWebデザイナーとして長く働くためには、仕事の量を自分で調整することが大切です。納期を守れば作業の時間を自分で決めやすいため、子どもの長い休みの時期は仕事を控えめにし、学校や園が始まったら多めに受けるといった、時期ごとの調整もしやすい働き方です。
また、限られた時間で効率よく働くには、自分の得意な分野を早めに見つけることがポイントです。たとえば、女性向けのサロンのバナーなど特定の分野に慣れてくると、作業の時間を短くしながら品質を保ちやすくなります。
扶養の範囲で働く場合の確認点
扶養の範囲で働きたい場合は、税金の扶養と、社会保険の扶養を分けて考える必要があります。
税金では、配偶者控除の対象になるかどうかは、配偶者の年間の合計所得金額で判断されます。国税庁の配偶者控除の案内によると、令和7年分は合計所得金額が58万円以下で、令和8年分以降は62万円以下に引き上げられます。Webデザインの仕事を業務委託で受ける場合、所得は収入から経費を差し引いた金額です。
社会保険の扶養では、日本年金機構の被扶養者の手続きの案内によると、被扶養者の年間収入はこれから1年間の見込みで原則130万円未満とされています。税金とは基準や収入の考え方が異なるため、業務委託の収入をどのように計算するかは、配偶者の勤務先や加入している健康保険に確認しましょう。基準は改正で変わることがあるので、毎年最新の情報を確かめ、月ごとの収入を記録しておくことが大切です。
主婦のWebデザイナーについてよくある誤解
センスがないから無理、というのは誤解です。Webデザインには、レイアウトや配色、文字の扱いの基本があり、学んで身につけられます。パソコンが苦手でも、メールや検索ができれば始められ、ツールの操作は繰り返すうちに慣れていきます。
子どもが小さいうちは無理、という考え方もいつも当てはまるとは限りません。使える時間が限られる時期は、学習と作品づくりの期間と考え、子どもの成長に合わせて仕事を増やしていく方法もあります。資格を取るための時間を、作品づくりにあてたほうが仕事につながりやすい場合もあります。また、Webデザイナーに必須の資格はなく、仕事を受けるときに見られるのは作品の内容と対応の丁寧さです。
今日から始める最初の一歩
まずは、クラウドソーシングでバナーやSNS用の画像の募集をいくつか読み、求められているスキルを確かめてみてください。あわせて、身近なチラシや広告が、なぜその色や配置になっているのかを考えて書き留めてみましょう。
そのうえで、家族の予定を見ながら学習の時間を決め、デザインツールでバナーを一枚作ってみましょう。日常の中で感じている使う人の視点は、デザインを考えるうえで強みになります。無理のないペースで、一歩ずつ進めていきましょう。
