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UI/UXデザイナーのポートフォリオ作成術|未経験からでも伝わる構成

  • 最終更新日:2026/10/19
UI/UXデザイナーのポートフォリオ作成術|未経験からでも伝わる構成

UI/UXデザイナーとして採用や案件の獲得を目指すとき、実力を伝えるための重要な資料がポートフォリオです。とはいえ、「何を載せればいいのか分からない」「実務経験がないのに作品を用意できるのか」と悩む人も多くいます。

UI/UXデザイナーのポートフォリオで評価されるのは、完成した画面の美しさだけではありません。どんな課題を見つけ、どう調べ、なぜその設計にしたのかという考え方の過程が、重視されるポイントです。この過程は、実務経験がなくても示すことができます。

この記事では、UI/UXデザイナーのポートフォリオで見られているポイント、全体の構成、ケーススタディの書き方、未経験者の題材の選び方、見せ方の工夫、採用向けと案件獲得向けの違い、公開前の注意点までを順に解説します。

UI/UXデザイナーのポートフォリオは考え方を見せる資料

UI/UXデザインの仕事は、画面を作ることそのものより、ユーザーの課題を解決することが目的です。そのため、UI/UXデザイナーのポートフォリオでは、成果物と同じくらい、そこに至るまでの過程が見られています。採用担当者や発注者が主に確認しているのは、次のような点です。

見られるポイント確認されていること
課題の設定誰のどんな課題を解決しようとしたのかが明確か
調査と分析思い込みではなく、根拠をもとに課題を捉えているか
設計の判断複数の案を比べ、理由を持って選んでいるか
検証と改善作ったものを試し、結果から学んで改善しているか
伝える力初めて見る人にも、考えの流れが分かりやすく伝わるか

特に未経験から目指す人にとって、ポートフォリオは実務経験の少なさを補い、考える力と学ぶ姿勢を示すための材料になります。一方で、チームで仕事を進める力などは伝えきれない部分もあるため、ポートフォリオは面談や業務につなげるための入り口と考えておきましょう。仕事の全体像はUI/UXデザイナーの仕事内容で確認できます。

公的な職業情報から見る実績の位置づけ

厚生労働省の職業情報提供サイトjob tag(UX/UIデザイナー)では、それまでの仕事の実績が名刺代わりとなっていると説明されています。あわせて、デザインの基礎や情報設計の基礎に加え、ユーザーの側に立った設計のための人間中心設計や心理学の知識、プレゼンテーション能力が求められる場面もあると記載されています。

実績を示す手段であるポートフォリオに、設計の根拠と伝え方の工夫を盛り込むことは、こうした求められる力を示すことにもつながります。

ポートフォリオ全体の構成

ポートフォリオは、限られた時間で見られることを前提に、必要な情報にすぐたどり着ける構成にします。一般的には次のような要素で組み立てます。

要素載せる内容
トップ名前、肩書き、得意な領域を一言で。作品の一覧へすぐ移動できるようにする
作品の一覧各作品のサムネイル、題材、自分の役割を短く添える
ケーススタディ作品ごとに、課題から結果までの過程を説明するページ
自己紹介とスキル経歴、使えるツール、デザインで大切にしている考え方
連絡先メールアドレスや問い合わせ方法、SNSなど

中心になるのはケーススタディです。作品の数を増やすことより、一つひとつのケーススタディの中身を充実させることを優先しましょう。

ケーススタディの書き方

ケーススタディは、次の流れで書くと、見る人が考えの過程を追いやすくなります。

項目書く内容
概要題材、期間、自分の役割、使ったツールを冒頭に記載する
課題と目標どんな問題があり、何を達成したかったのか
調査何をどう調べ、どんな気づきを得たのか
課題の定義調査をもとに、解決すべき課題をどう絞り込んだのか
設計検討した案と、最終案を選んだ理由
検証と結果試作品を試してもらった結果と、それを受けた改善
学びうまくいったこと、次に改善したいこと

役割と期間をはっきり書く

チームで取り組んだ制作の場合、自分がどの工程を担当したのかを明記します。すべてを一人で行ったかのように書くと、面談で質問されたときに説明が食い違い、かえって信頼を損ないます。期間も書いておくと、作業の規模が伝わります。

調査で得た気づきを具体的に書く

「ユーザーインタビューを行った」だけでなく、「〇人に話を聞いたところ、〇人が支払い画面で迷っていた」のように、何が分かったのかを具体的に書きます。ユーザーへの調査が難しい場合でも、既存サービスの比較や、身近な人に操作してもらった観察の結果を載せることで、根拠をもとに考えたことを示せます。

採用しなかった案も載せる

最終案だけを並べるより、途中で検討した案と、それを採用しなかった理由をあわせて載せるほうが、判断の力が伝わります。手書きのスケッチやワイヤーフレームなど、途中の段階の成果物も積極的に見せましょう。

検証の結果と学びで締めくくる

試作品を実際に触ってもらい、どこでつまずいたか、それを受けてどう改善したかを書くと、検証と改善の力を示せます。最後に、次に取り組むなら何を変えたいかを書いておくと、振り返る力と成長意欲も伝わります。

未経験者がケーススタディの題材を選ぶ方法

実務経験がなくても、題材の選び方を工夫すれば、課題の発見から検証までの過程を示すケーススタディを作れます。ここでは、未経験者が取り組みやすい題材の選び方を紹介します。

既存のアプリやサイトの改善案を作る

普段使っているアプリやWebサイトの使いにくい点を見つけ、改善案を作る方法は、取り組みやすい題材です。ただし、そのサービスの運営会社から依頼された仕事であるかのような書き方は避け、「学習のために個人で取り組んだ改善提案」であることを明記しましょう。

架空のサービスを企画して設計する

「地域の子育て世帯向けの情報アプリ」のように、架空のサービスを設定して一から設計する方法もあります。課題の設定から自分で行うため、企画力も示せます。架空の題材であることは、はっきり書いておきます。

身近な人の困りごとを解決する

家族や友人、地域のお店などが抱える困りごとを聞き、その解決策を設計する方法もおすすめです。実在のユーザーに話を聞き、試作品を試してもらえるため、調査と検証の過程を具体的に示しやすくなります。掲載する際は、相手の了承を得ましょう。

どの題材を選ぶ場合も、UI/UXデザインの基本的な進め方を押さえておくと、ケーススタディの流れを組み立てやすくなります。進め方の全体像はUI/UXデザイナーの基本で、学習の順番はUI/UXデザイナーの勉強方法で紹介しています。

見る人に伝わる見せ方の工夫

同じ内容のケーススタディでも、見せ方によって伝わりやすさは変わります。限られた時間で確認する相手を想定し、読みやすさを意識した工夫を取り入れましょう。

各ケーススタディの冒頭に要約を置く

採用担当者や発注者は、多くのポートフォリオを短い時間で確認します。ケーススタディの冒頭に、課題、自分の役割、結果を数行程度で記載しておくと、全体を読まなくても要点が伝わります。

文章だけでなく図や画面で示す

調査の結果は図や表に、設計の変化は修正前と修正後の画面を並べて見せると、読む負担が減ります。画面ごとに、設計の意図を一言添えるだけでも、理解が深まりやすくなります。

作品は少数に絞って深く見せる

作品の数を増やすことにこだわると、一つひとつの説明が浅くなりがちです。過程を丁寧に説明できる作品を少数に絞り、深く見せるほうが評価につながりやすい傾向があります。

公開の方法を選ぶ

ポートフォリオは、Webサイトとして公開する方法、PDFとして作成する方法、Figmaなどのデザインツールの共有リンクで見せる方法などがあります。応募先からの指定がある場合はそれに従い、そうでなければ、スマートフォンでも見やすく、リンク一つで共有できる形にしておくと便利です。

ポートフォリオ自体の使いやすさも確認する

ポートフォリオのサイトそのものも、UI/UXデザイナーとしての力を示す作品の一つとして見られます。文字と背景のコントラストやボタンの押しやすさを確認する際は、W3Cが公開しているWCAG 2.2の基準が参考になります。たとえば、通常の文字と背景のコントラスト比は4.5:1以上、クリックやタップの対象の大きさは24×24 CSSピクセル以上が、レベルAAの基準の一つとして示されています。

ケーススタディの中で、配色や文字サイズをアクセシビリティの観点から決めた理由を書いておくと、設計の根拠を示す材料にもなります。

採用向けと案件獲得向けの違い

ポートフォリオは、就職や転職で使う場合と、副業やフリーランスで案件を獲得する場合とで、見る人と重視される点が異なります。違いを次の表で確認しましょう。

項目採用向け案件獲得向け
主に見る人採用担当者、現場のデザイナー発注を検討している企業や個人
重視されること考え方の過程、成長の可能性、チームで働く姿勢依頼したい分野の実績、成果、進め方の分かりやすさ
見せ方の工夫ケーススタディで考えの流れを丁寧に示す対応できる業務、制作の流れ、連絡方法を分かりやすく示す

見せる相手によって重視されるポイントが変わるため、作り始める前に「誰に向けて、何を伝えたいのか」を決めておきましょう。副業やフリーランスで案件を獲得する方法はUI/UXデザイナーの案件獲得の方法で紹介しています。転職でポートフォリオを使う場合は、UI/UXデザイナーへの転職やUI/UXデザイナーにおすすめの転職サイトもあわせて確認してください。

公開前に確認したい注意点

ポートフォリオは多くの人の目に触れる資料のため、公開する前に、契約や権利、AIの使い方について確認しておく必要があります。

守秘義務のある情報を載せない

実務で手がけた案件を載せる場合、クライアントとの契約で守秘義務が定められていることがあります。公開してよい範囲を事前に確認し、確認が取れない場合は、社名や画面の内容をぼかしたり、考え方の過程だけを架空の題材に置き換えて説明したりする方法を検討しましょう。

素材の権利を確認する

画面に使った写真やイラスト、アイコン、フォントが、ポートフォリオで公開してよい条件のものかを確認します。既存サービスの改善案で、そのサービスのロゴや画面を使う場合も、学習目的の提案であることを明記し、誤解を招かない見せ方を心がけましょう。

AIを使った部分を明らかにする

画像の生成や文章の作成にAIを使った場合は、どの部分にAIを使い、どこを自分で考えたのかを説明できるようにしておきましょう。AIが画面を作れる時代だからこそ、ポートフォリオでは自分の考えの過程を示すことの重要性が増しています。

生成AIで作った画像を載せる場合は、権利の面にも注意が必要です。文化庁のAIと著作権に関する考え方について(概要)では、生成物に既存の著作物との類似性と依拠性が認められる場合、権利制限規定の対象とならなければ著作権侵害となり得ると整理されています。既存の作品やサービスの画面に似ていないかを確認してから掲載しましょう。AIの使い方はUI/UXデザイナーのAI活用でも紹介しています。

ポートフォリオ作りでよくある失敗

時間をかけて作ったポートフォリオでも、伝え方を誤ると評価につながりにくくなります。よくある失敗を知り、作成中や見直しの際に確認しておきましょう。

完成した画面だけを並べる

見た目の良い画面だけを並べ、なぜその設計にしたのかの説明がないと、UI/UXデザイナーとしての考える力が伝わりません。画面ごとに設計の意図を添え、課題から結果までの流れを示しましょう。

作品の数を優先して説明が浅くなる

多くの作品を載せようとして、一つひとつの説明が浅くなるケースです。数を追うより、一つの作品を深く掘り下げるほうが評価されやすい傾向があります。

作って終わりにする

一度作ったポートフォリオを更新しないままにしておくと、成長が伝わりません。新しく学んだことや、応募先からの反応をもとに、定期的に見直しましょう。完成したら、デザインの経験がある人に見てもらい、伝わりにくい点を指摘してもらうのも効果的です。添削を受けられる学習先を探す場合はUI/UXデザイナーにおすすめのスクールも参考になります。

ポートフォリオを仕上げるチェックリスト

公開や応募の前に、次の表の項目を確認しておきましょう。

確認することチェックの内容
目的誰に向けて、何を伝えるポートフォリオかを決めた
概要各ケーススタディに、題材、期間、役割、使ったツールを書いた
調査調査で分かったことを、具体的な事実で示した
設計の判断採用しなかった案と、その理由を載せた
検証と学び検証の結果と、次に改善したいことを書いた
題材の明記学習用の題材や架空の題材であることを明記した
権利と守秘義務守秘義務や素材の権利に問題がないか確認した
見やすさスマートフォンでも見やすいことを確認した

UI/UXデザイナーのポートフォリオは、完成度の高い画面を見せる場ではなく、課題を解決するための考え方を伝える場です。まずは題材を一つ選び、課題、調査、設計、検証、学びの流れでケーススタディを一つ仕上げるところから始めてみてください。未経験からの具体的な進み方はUI/UXデザイナーになるための学習ロードマップで確認できます。

著者情報

アラサー既婚子持ちのデジタルマーケター「T.I」です。
デザイン,コーディング,ライティング,seo,広告運用,sns運用の全てを担当しています。
大学卒業後、新卒の就活でやらかし、新卒を捨ててベンチャーで未経験のwebライターのアルバイトとしてキャリアをスタートして現在はプライム市場上場の企業でWebマーケター(正社員)として働いています。
未経験なりの悩みもわかるつもりなので、皆さんの力に少しでも役に立てるように情報を提供します。

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