プロダクトマネージャー(PM)が稼げないと言われる理由と年収を上げる条件
- 最終更新日:2026/11/05
プロダクトマネージャー(PM)は高年収の職種として紹介される一方で、「責任ばかり重くて稼げない」という声も聞かれます。どちらも本当のことを含んでいるため、検索する人ほど判断に迷います。この記事では、プロダクトマネージャー(PM)が稼げないと言われる背景を、公開されている調査の数字と照らして検証し、収入が伸びる人と伸びにくい人の分かれ目を整理します。
プロダクトマネージャー(PM)が稼げないと言われる背景を数字で確かめる
まず、実際の年収分布から見てみましょう。数字は調査の母集団によって異なるため、複数の出典を並べて読むのがコツです。
転職者データでは平均682万円という結果
IT人材向けの転職エージェントであるギークリーは、同社経由で転職したIT業界の方4,548名(2025年6月〜2026年5月、Webアンケート)をもとに、PMの平均年収を約682万円、中央値を約650万円と公表しています。同ページでは、国税庁の令和6年分民間給与実態統計調査にもとづく全職種平均が478万円と示されており、これと比べると高めの水準です。ただし転職エージェント利用者の数字で、全PMを代表しているわけではありません。
業界団体の調査では600〜899万円が最多
プロダクトマネージャーカンファレンスが2022年に公表した大規模調査では、年収600〜899万円が46.4%で最も多く、1,000万円以上も20%を超えたと紹介されています。2024年の同カンファレンスでは、年収の中央値が経験の浅いジュニアで約700万円、ミドルで750〜900万円、シニアで1,000万円以上と整理されています。
数字だけを見れば「稼げない職種」とは言いにくい
平均や中央値を見る限り、PMは国内の給与水準の中で低い位置にいる職種ではありません。それでも「稼げない」と感じる人がいるのは、平均に入らない場所に原因があるからです。次の章で、その中身を分けて見ていきます。
それでも収入が伸びない人に起きていること
数字上は高めなのに、実感として稼げない状況は、主に次の4つの形で起きます。
肩書きだけがPMで、実際はプロジェクト進行役になっている
求人票の「PM」には、プロダクトの責任者を指すプロダクトマネージャーと、納期や予算を管理するプロジェクトマネージャーが混在しています。前者は事業成果に責任を持つ分、報酬も事業の成果と結びつきます。後者の進行管理が中心の場合は、同じ略称でも評価のされ方が異なります。自分の業務がどちらに近いかは、プロダクトマネージャー(PM)とはの整理で確認できます。
企業の規模や体制で水準が変わっている
ギークリーの数字では、従業員数100〜499人の企業で平均628万円、5,000人以上の企業で平均730万円と、規模によって100万円ほどの差が出ています。同じ経験年数でも、どの会社のPMかで収入は変わります。
ジュニアのうちは、期待より低く始まることがある
ギークリーの年代別データでは、20代の平均は544万円、30代は709万円、40代は753万円です。未経験から入口のポジションに就いた場合、最初の数年は全体平均より低いのが自然で、そこで「稼げない」と判断してしまう人ももあります。年代ごとの動き方は30代でPMを目指す場合の整理も参考になります。
成果が数字で語れず、評価に反映されない
機能をいくつリリースしたかは語れても、売上や継続率にどう影響したかを示せないと、報酬交渉の材料が弱くなります。ワンキャリアの記事も、自分のスキルセットを言語化できるかどうかがオファー年収の分岐点になると触れています。
年収が上がるPMに共通して求められる条件
ギークリーの記事は、年収アップに結びつく要素として、事業数字を伸ばした定量的な実績、プロダクトビジョンとロードマップを推進する力、エンジニアやデザイナーを巻き込むリーダーシップ、定量と定性の両面でのユーザー理解を挙げています。
実績を、売上・継続率・稼働率などの数字で棚卸しする
たとえばSaaSなら「解約率を何ポイント下げたか」、ECなら「購入までの離脱をどこで減らしたか」といった具合に、施策と結果をセットで書き出します。数字が取れない場合も、施策前後の状況を言葉で説明できるようにしておくと、面接や社内の評価面談で使えます。
足りない領域を補い、スキルの幅を広げる
エンジニア出身の人は事業計画や収益構造の知識を、ビジネス職出身の人は開発プロセスやデータの読み方を補うことで、任される範囲が広がります。学び方はPMのキャリアパスで整理している道筋とあわせて考えると、次の役割を選びやすくなります。
報酬の話し合いで使える材料の形
典型的なモデルケースとして、SaaSの会員向け機能を担当するPMが、解約が多い初月の操作画面を改善し、初月の継続率を数ポイント引き上げたとします。このとき「何を課題と見て、どんな仮説で、どの指標が動いたか」を1ページにまとめておくと、評価面談でも転職の面接でも同じ資料を使い回せます。機能の数ではなく、事業の指標が動いた経緯を示すのが要点です。
市場での自分の位置を、社外の目で確かめる
同じ会社に長くいると、社内の基準だけで自分の価値を測りがちです。転職を決めていなくても、求人票の要件や提示年収を見て、自分の経験がどの水準に当たるかを確かめておくと、報酬交渉や転職の判断材料になります。年収そのものの整理はPMの年収の記事にまとめています。
稼げないと感じたときに見直す順番
「やめたほうがいいのか」と悩む段階では、次の順に確認すると感情的な判断を避けられます。
いまの業務がプロダクト責任か進行管理かを分ける
事業の数字に責任を持つ範囲が小さい場合は、役割そのものの見直しが先です。この点が合わないのに、勉強や資格だけを増やしても年収には結びつきにくくなります。
後悔しやすい選び方との重なりを確認する
転職後に「想像と違った」と感じるケースの傾向はPMで後悔しやすい場面で、仕事のつらさについてはやめとけと言われる理由で扱っています。収入の悩みと、働き方の悩みが混ざっていないかを切り分けてください。
まず手元の成果を3つ数字にしてみる
最後に、直近1年の成果を3つ選び、施策と結果の数字を書き出してみてください。書けない部分が見つかれば、それが次の半年で取りにいく指標になります。
